空色のトレードカラーがかっこいい『法務省矯正局・特別機動警備隊“SeRT(サート)”』と聞いて、日本の国家機関のどこに位置する部隊か? また、どんな業務を行う部署なのかをパッと答えられる人は、かなりのマニアかもしれない。
今回はそんな部隊の指揮官車両としてマツダのSUV CX-8が配備されたというニュースをご紹介。「SeRT」のことも、皆さんにぜひ知っていただきたい。
※本稿は2021年12月のものです
文・撮影/西尾タクト、写真/西尾タクト、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年1月26日号
■特別機動警備隊『SeRT(サート)』とは?
まず「法務省」と名のつくとおり、SeRTは法務大臣の管轄下にある特別部隊。
設立されたのはまだ新しい2019年で、隊員は現在約60名ほど。東京拘置所などで勤務する「刑務官」たちから選出され組織されている。
指定暴力団幹部の出所に伴う警備、災害復興支援のほか、暴動が起こった際など有事を想定して施設警備や鎮圧、侵入者への対応などもその任務の一部とされている。
警察や自衛隊と連携する業務を行うこともあるが、指揮系統は異なる部隊なのだ。
■指揮官車両として採用されたマツダ CX-8
一方のマツダCX-8といえば、日本車のなかではかなり大きな部類に入るクロスオーバーSUVで、乗車定員は最大7名というのが特徴。
今回SeRTに配備されたものは、マツダの架装メーカー『株式会社マツダE&T』が手掛けており、細部にわたって公式の威信をかけたこだわりがみられる特殊車両だ。
先にネタばらしをすると、マシンスペック的な部分については非公開。というよりほぼノーマルのようだ。内装などにも大きな変化はなく、助手席側に通信機器が装備されている程度なのがわかる。
目をひく車両上部の赤色灯は、昨今のパトカーなどでトレンドになっているブーメランタイプではなく、比較的シンプルなフラットタイプ。
フロントグリル内の赤色灯は安全装備のセンサーなどをすべて生かしたまま、取付位置や配線にも拘った、マツダE&Tならではの仕事が詰まっているとのこと。
もう一つのこだわりは、SeRTのイメージカラーである青と白の外装デザインだ。
SeRT側から手描きのラフデザインを受け取り、それをブラッシュアップして仕上げたという。
実はこれ、ラッピングではなくちゃんと塗装をしているのだ。(※法務省を意味するMOJのロゴはラッピング)
東京拘置所の会議室でSeRT側と面談をした際に、壁に掲げられた『覚悟』という額縁に衝撃をうけたとマツダの清水統括部長は語る。
矯正局の中でも最前線にあるSeRTと刑務官たちの想いが、その二文字に込められているとのことだ。
そしてマツダ側としてもその覚悟とともに歩む車両を提供することが、今回の使命であると感じさせられたそうだ。
この車両が活躍する機会がないことが一番なのだが、もし見かける機会があればSeRTとマツダの『覚悟』を思い出し応援してほしい。
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