現代はハイブリッド(HV)に代表されるエコカー全盛期。さらに将来的にはガソリンをまったく使わない電気自動車(EV)の時代となることも予想されている。
そんな今、純粋なガソリンエンジン車を新規に買うのは悪手なのだろうか? エコカーに押され気味のガソリン車にも、まだまだメリットはあるのか? 改めて考えたいガソリン車のメリットとデメリット、そしてお薦めのモデルとは?
文/長谷川 敦、写真/日産、トヨタ、ホンダ、スバル、マツダ、スズキ、写真AC
【画像ギャラリー】ガソリン車の魅力を再考!(15枚)画像ギャラリーまずはコスト面から考えてみよう
今さらながらの話だが、エコカーの「エコ」は「エコロジー」の略。エコロジーとは本来「生態学」を意味する言葉で、最近は自然環境保護運動を指す言葉としても使われている。従来のガソリン車に比べてガスの排出量が少ないHVやEVがエコカーと呼ばれるのはそれが理由だ。つまりガソリン消費量が少なく、ガソリン代をセーブできる「エコノミー」ではない。
とはいえ、ガソリン代のことを考えてエコカーを選ぶ人が多いのもまた事実。そこでここからは、実際にHVとガソリン車でどこまでコストが変わるのかを考えていきたい。
同グレードのクルマでお得なのはHV、それともガソリン車?
最初はガソリン車とHVのコストを比較してみよう。HVの有利な点は同じ距離を走った場合にガソリン車より燃料消費量が少ないことだが、そのぶん同グレードのガソリン車に比べて車体価格が高くなりがち。これはバッテリーやモーターなどのハイブリッド用機器を追加しなくてはならないため。約20年前のHV登場時に比べればかなり価格も下がってきているが、まだガソリン車よりは高い。
HVのもうひとつのメリットは、税制面で優遇されていること。皆さんはエコカー減税という言葉をご存じだとは思うが、念のために説明すると、これはHVやEV、燃料電池(水素)車など、燃費に優れたクルマに適用される減税措置を指している。本来2021年4月までの措置だったが、税制改定により2年間の延長が決まっている。
さらになんと言ってもHVはガソリン代を節約できるのが大きい。加えてリセールバリューもHVに分があるのが現状だ。特に今後は法律面でもガソリン車に乗りにくくなる流れにあるため、中古車市場での格差は広がる可能性も高い。反面、ガソリン車側から考えると、程度の良い中古車がお手頃価格で買えるようになるということでもある。
続いて具体的なケースを見ながらHVとガソリン車のコストを考えていくことにしよう。果たしてガソリン車の“復権”はあるのか?
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