2022年6月19日、スポーツランドSUGOで開催されたスーパーフォーミュラ第5戦。第4戦でスーパーフォーミュラ今季2勝目を挙げ、1週間前にル・マン24時間レースで初出場初優勝を成し遂げた平川亮。
この勢いで……と注目された平川亮のル・マン凱旋後初戦の走りは!?
文/段純恵、写真/TOYOTA GAZOO Racing、HONDA
■スーパーフォーミュラは甘くない!!
ル・マン24時間レース初優勝から1週間。その凱旋レースということで、スポーツランドSUGOで開催されたスーパーフォーミュラ第5戦における平川亮(28、インパル)の注目度はこれまで以上に高かった。
前回のオートポリス戦は7台抜きの大逆転でSF今季2勝目を挙げ、その翌々週のル・マンで世界に名を馳せた勢いで第5戦も……と想像を巡らせる一人だった筆者も、平川が連勝したら今季タイトル争いはいっそう面白くなるぞと考えていたのだが、どっこい、SFはそんなに甘っちょろくはなかった。
なんと平川、予選上位12台を決めるQ1で敗退し、8列目は16番グリッドに沈んだのである。
理由は大きくふたつ。ひとつ目は平川が予選Q1aグループでコースインした直後に動物(カモシカ説が有力)がコースに侵入したためセッションが赤旗中断となり、10分後にイチからやり直しになったこと。
ふたつ目は再開されたQ1でアタックに入った平川の行く手を2台のマシンが遮る格好になったことだ。恐れ知らずの動物が実はけっこう近くにいたことに気づかなかった平川も、アタック中に前をゆくマシンの存在を見過ごすことはなかった。
結論からいうと2台のうち平川に近い位置を走っていた松下信治(28、B-Max)に、平川に対する妨害行為が認められ、2グリッド降格のペナルティが科せられたのだが、正直、筆者には松下がペナルティを受けるほどヒドいことをしたとは思えなかった。
確かに松下がひとつ手前のコーナーで平川を先行させていれば何の問題もなかっただろうが、松下が悪意をもって平川を『通せんぼ』したワケじゃなし(二人はふつうに友人関係にある)、単に幅の狭いことで有名なSUGOのコースのどこで抜かせればいいかの判断が一瞬遅れただけのことだ。
平川にしても、なぜ他の誰もやらない早いタイミングでアタックに出たのか疑問だったが、「赤旗で自分(=平川自身)の感覚がズレて、けっこう(時間が)ギリギリだと思っていた」という話から察するに、赤旗後にセッションが10分間フルに巻き戻されたことへの認識がズレていたのかもしれない。
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