次世代の可能性として、内燃機関とEVの特徴を両方併せ持つPHEV。純内燃機関仕様に対する純粋な上級車種としての地位も確立しつつあり、その流れは世界中に広がっている。
もちろん流れはジープにも届いており、今年1月にはグランドチェロキーにもPHEV仕様が登場した。今回企画では、そんな新世代のジープを試乗チェックしてきた!
文、写真/木村好宏
■環境新世代のPHEV
自動車の発明は確かにドイツだったが、ベルトコンベアによる大量生産方式やオートマチック(トルクコンバーター)など、その後の技術進化はほとんどアメリカで見られている。さらにステーションワゴン、そして現在、世界中でブームとなっているSUVの発祥地もアメリカである。
とりわけ1992年のデトロイトショーでデビューしたジープグランドチェロキーはポルシェカイエンの誕生に大きな影響を与えたと言われる。当時、開発を推進していたヴィーデキング社長はグランドチェロキーのオーナーで、カイエン・プロジェクトのシークレットコードは「コロラド・プロジェクト」、すなわち、この開発当初からチェロキー、そして北米市場を大きく意識していたのだ。
このグランドチェロキーは、これまで4世代に渡って進化を続けており、現行モデル(開発コード:WK2)は2010年に登場、その後、2度に渡るフェイスリフトを経て、昨年フルモデルチェンジが行われた。
さらに今年1月にはプラグインハイブリッド・バージョン(PHEV)の4Xeが加わった。この「グランドチェロキー4Xe(フォー・バイ・イーと読む)」はV8エンジン搭載モデルに代わる環境新世代におけるトップモデルという位置づけとなる。
■PHEVのデザイン差別化はわずか
米テキサス州オースチンで開催された試乗会で遭遇したPHEVバージョンのエクステリア・デザインはベースモデルとほとんど同じで細長いヘッドライトやリアコンビライト、さらにルーフとCピラーを囲むクロームラインでフローティングルーフ(ルーフが浮かんだように見えるデザイン)など今日的な内容を持っている。
ただしジープブランドのアイコンである7つのスリットを持ったグリルも健在である。PHEVの外観上のスタンダード・モデルとの差はわずかで、ブルーのアプリケーションだけである。
一方、レザーとウッド、そしてクロームで仕上げられた豪華なインテリアはドライバーの正面には10.25インチ、センターには10.1インチ、さらには助手席用に10.25インチのデジタルディスプレイが並んでいる。大きく異なるのはステアリングの左側下に「HYBRID」「ELECTRIC」「E-SAVE」のドライブロジックが並んでいることだ。
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