クロスオーバー、エステート、セダン、そしてスポーツという4つのバリエーションで登場した、新型の16代目「クラウン」。既存のクラウンオーナーから、国内外や年齢層を問わない新規ユーザーまで、多様性ある顧客を狙った「絨毯爆撃」のような戦略で、国内他メーカーでは真似はできない、トヨタの強さを見せつけられた。
発売開始は今秋のクロスオーバーからだが、続いて登場する可能性が高いと筆者が考えているのが、クーペSUVスタイルの「スポーツ」だ。クラウンスポーツのスペックを見ながら、想定されるクーペSUVのライバルをチェックしておこう。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、Mercedes-Benz、BMW、Audi
ひょっとすると、バッテリーEV専用モデルでは!??
昨年(2021年)末の12月15日に、お台場MEGA WEBで開催された、「トヨタの2030年までのバッテリーEV戦略」説明会の中で登場した16台のバッテリーEV(BEV)の一台に、「Crossover EV」がいたことを覚えているだろうか。当時は、トヨタ初となる量産バッテリーEV「bZ4X」と、レクサス「RZ」という注目の2台の発表、そして16台一斉発表という想像を超えた珍事に注目が集まったため、その中にクラウンの一派がいたとは思いもしなかった、というのが正直なところだ。
クラウンスポーツのボディサイズ(開発目標値)は、全長4710×全幅1880×全高mm、ホイールベースは2770mm。ハリアー(4740×1855×1660)に近いサイズ感だ。クラウンクロスオーバーの全長が4930mmもあることを考えれば、スポーツはずいぶんとコンパクトということになる。ちなみにレクサスの新型RX(4890×1920×1695)よりも、260mも全長が短い。
パワーユニットは未発表だが、すでに公表されているクラウンクロスオーバーと同様、デュアルブーストハイブリッドと従来のTHS-IIとなるのが濃厚なところではあるが、ひょっとすると、バッテリーEV専用モデルとなる可能性がある。なぜならクラウンスポーツのフロントグリルの開口部の狭さは、バッテリーEVそのものだからだ(ちなみにクラウンエステートもフロントグリル開口部が小さい)。
もしBEV専用車ならば、bZ4X(600万円~)よりも上級に位置するため、筆者の予想では、700~800万円クラスのクーペSUVになると予想される。おそらく、レクサスRZ(価格未発表)と同じくらいになるだろう。
また、もしも内燃機関を持つ場合であっても、700万円前後となるのは間違いなく、その価格帯となると、レクサスを除いたライバルは、メルセデスやBMW 、アウディといった輸入車メーカーのクーペSUVとなりそうだ。
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