世に販売されるクルマの種類は数えきれないほどだが、そのなかでもシリーズが長期間存続され、安定したセールスをキープしているクルマがある。こうした“良血統”のクルマは何が違うのか? 今回は、自動車界のサラブレッドとも言うべきモデルを紹介し、どうしてそのクルマが高い人気を保ち続けているのか考えていきたい。
文/長谷川 敦、写真/トヨタ、スズキ、スバル、FavCars.com
【画像ギャラリー】サラブレッドたちの輝かしい歩みをチェックしよう!(18枚)画像ギャラリードラスティックなモデルチェンジが新たな伝説を作る?「トヨタ クラウン」
2022年7月に発表されたのがトヨタの新型クラウン。60年を超えて販売が続けられているこのシリーズは、日本を代表する高級4ドアセダンとして知られている。
そもそもの成り立ちが第二次世界大戦後の復興を象徴する完全国産乗用車第一号だったクラウンは、販売当初から購入可能な層が限られた高級車であり、その根幹は現在までも変わっていない。
しかしクラウンの歴史が重ねられる間に日本も豊かになり、クラウンを所有することが、多くの人にとって目標にもなった。それは1983年登場の7代目につけられた「いつかはクラウン」のキャッチコピーからもわかる。
もちろんクラウンの長い歴史において販売台数の上下はあり、なかにはクラウンにしては不調に終わったモデルもあるが、それでもクラウンは憧れの高級セダンであり続けた。ところが、こうした歴史にも変化が訪れた。それが先に発表された通算16代目にあたるクラウンだ。
最新のクラウンは、従来の路線とは大きく異なるSUV的なルックスを伴って登場した。モデルも「クロスオーバー」「セダン」「スポーツ」「エステート」の4タイプがラインナップされ、単なる高級4ドアセダンにとどまらない展開を見せている。
ここまで大きなモデルチェンジはクラウン史上初と言ってよく、これがクラウンの覇道をさらに推進する起爆剤となるのか、それとも不発に終わってしまうのか? 世界中からも注目が集まっている。
リニューアル後も変わらぬ人気。その人気はいつまで続く?「スズキ ジムニー」
スズキの小型SUV・ジムニーシリーズも、時代を超えて愛され続けるクルマのひとつと言える。
ジムニーが初めて登場したのは1970年。軽自動車では初となる本格的なオフロード4WDモデルがジムニーだった。発売前は他に例のないジャンルのクルマということもあって売れ行きが心配されたが、実際には販売開始から高評価が集まり、ヒットモデルになった。
軽自動車ながらタフな走りを発揮し、実用性も高かったジムニーの初代モデルはマイナーチェンジを続けながら1981年まで販売された。そして1981年には2代目がリリースされるが、この2代目は初代を上回るロングセラーになった。
2代目ジムニーの販売期間は1981~1998年だが、1982年には軽自動車枠を飛び出したリッターカーのジムニー1000が登場する。この時からジムニーは軽自動車と普通車のラインナップになり、それは現在でも続いている。
3代目は軽自動車の規格改正があった1998年に登場。普通車モデルにはジムニーワイドの名称が与えられ、2000年にはジムニーシエラに改名されている。
現行モデルの4代目は2018年に誕生。フルモデルチェンジが行われるのは実に20年ぶりで、この時はジムニー&ジムニーシエラが同時にリニューアルされている。待望のモデルチェンジを受けたジムニー&ジムニーシエラは大ヒットモデルになり、発売から4年が経過した現在も異例の長期納車待ち状態が続いているという。
異色の軽自動車SUVとその派生モデルであるジムニー&ジムニーシエラシリーズの快進撃はまだまだ続きそうだ。
コメント
コメントの使い方ランクルやクラウンといった車だけじゃなく、レガシィもラインナップしてくれた事に感謝!
歴代レガシィ乗り継いで、今はレヴォーグ!家に一台あると何かと快適です。