日本ではある用途のための装置などを備えた自動車を「特装車」と呼んでいます。トラックはたいがい特装車というわけです。しかも世界には、日本と同じだったり違ったりユニークだったりスゴかったり、いろんな特装車が存在します。
トラックマガジン「フルロード」では、そんな特装車を紹介する「世界の特装車」を絶賛連載中ですが、ベストカー読者の皆さまにもこの底なし沼の一端をぜひとも味わっていただきたい!!!! というわけで、今回はアメリカではたらく超弩級のトレーラたちをご紹介!!!
※本稿は2022年5月のものです。本文中「GVW」は「車両総重量」、「GCW」は「連結総重量」の略語です
文/緒方五郎(トラックに詳しいフリーライター)、写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
初出:『ベストカー』2022年6月26日号
■市場規模はトレーラは日本の35倍!
米国のトラック輸送の主力がトレーラだ。新型コロナ禍前の2019年のトレーラ生産台数は32万台以上と、日本の35倍の市場規模。そのほぼ半数がドライバン架装といわれる。
ある調査によれば、同年のトレーラメーカー上位5社は、1)ヒョンデ・トランスリード、2)ワバシュ、3)ユーティリティトレーラ、4)グレートデイン、5)ヴァンガードで、上位4位は1社だけで年間5万台以上という生産規模になる。また、カナダやメキシコで生産されたトレーラも流通している。
ドライバントレーラの主流スタイルは、全長53フィート(16.15m)の2軸セミトレーラシャシーにアルミ製ボックスボディを架装したGVW30tクラス車で、空気抵抗を低減するサイドスカートを装着したクルマもよくみられる。
■ヒョンデ・トランスリード ドライバントレーラ
米トレーラメーカーの最大手が、韓国ヒョンデ・モータースのグループ企業で、1994年から北米向けのドライバントレーラ市場に進出した。本社はカリフォルニア州にあるが、生産はメキシコにある工場2拠点で行っている。
写真のヒョンデ・ロゴが描かれているドライバンセミトレーラが、同社で「HTオリジナル」と呼ばれているモデルで、全長53フィート・GVW30.844t・2軸車という最もオーソドックスなスタイルである。
牽引しているセミトラクタは、フェイスリフト前のフレイトライナー・カスケディア・スリーパーキャブだ。
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