メーターには製造から現在までの走行距離を占めるオドメーター。そして任意の期間で距離を測定するトリップメーターが存在する。
しかもその中にはAとBの2つの測定が可能で「満タンにしたら……」あるいは「オイル交換をしたら……」なんて使い分けている人など使い方はさまざま。でもなんでトリップメーターは2つあるのか!?
文/小鮒康一、写真/AdobeStock(トップ画像=kucheruk@AdobeStock)
■デジタル化で改ざんは難化!! オドメーターは想像以上に重要な数値だ
そのクルマが生産されてから現在までの積算走行距離を表示する「オドメーター」は、クルマの状態を把握するひとつの指針ともなっており、その数字が示す意味が思いのほか重い。
そのため、近年の車両においてはその数値を簡単に変更することが難しいデジタルとし、万が一書き換えがなされてしまったとしても、車両側に積算距離を記憶させておくことで、実際の走行距離を知ることができるようになっているのだ。
この数値が改ざんされた車両は「メーター改ざん車」として、価値が低くなってしまうほどなのだ。
その一方で、トリップメーターと呼ばれる数値はユーザーが好きなタイミングでリセットすることができるものとなっており、当然ながらここに表示されている数値は一切クルマの評価にはつながらないものとなっている。ではなぜトリップメーターというものが存在しているのだろうか?
■今や当たり前だけど……トリップメーターが存在しない車種が結構あった
実はこのトリップメーター、アナログ式のメーター時代には商用車や低グレードなど、コストを抑えたい車種については装着されていないことも珍しくなかった。
というのも、アナログ式のトリップメーターは当然ながらオドメーターとは別にメーターパネル内に収めなければならないため、オドメーターとトリップメーターという2つの計器を装着するとコストが上がってしまうという理由があったためだ。
しかし1990年代後半から液晶を用いたデジタル式となったことで、ひとつの表示パネルに切り替え式で複数の情報を表示することが容易に。よって高級車から商用車までほぼ全ての車種がトリップメーターを装備するようになったというワケである。
そしてデジタル式のオド&トリップメーターが装着されるようになったことで、アナログ時代ではほとんどの車種がオドメーターとトリップメーター1つずつだったところ、トリップメーターに関してはトリップAとトリップBというように2種類の数値を表示できるようになってきた。
では、この2種類のトリップメーター、どのように活用すべきなのだろうか?
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