2023年1月26日夕、突如として発表された豊田章男氏のトヨタ自動車社長退任。トヨタの代表取締役社長から代表取締役会長となる章男氏へ望むこととは何か。クルマ好きの一人として、また熱心なモリゾウウォッチャーとして、「日本自動車業界550万人のためにぜひお願いしたいこと」を、国沢光宏氏に伺いました。
文/国沢光宏、写真/トヨタ、ベストカーWeb編集部
■ホントは10でも100でもお願いしたいところ(笑)
トヨタの社長交代についてさまざまなメディアが取り上げているけれど、大半は佐藤恒治社長新体制を含む今後のトヨタの動きについて。しかし、クルマ好きとして気になるのは、会長になった豊田章男さんの動きである。
現在、66歳という年齢ながら、いまだWRカーで全開走りができるくらい元気。そもそも「あと10年くらい社長を続けるんじゃないか」みたいな声だって出ていた。
豊田章男ウォッチャー(笑)としては、まだまだ暴れ回って欲しいと思っている。ご本人もそのまま隠居になることなど1000%考えていないだろう。
ということで、会長になる豊田章男さんに一人の自動車好きとして、そして全国550万人の自動車業界の仲間として、お願いしたいことを3つ挙げてみたいと思う。いや、10でも100でもいいのだけれど、とりあえず3つのお願いにしておく。
■ひとつ目は「経団連会長」になってほしい
まず、ひとつ目は経団連(日本経済団体連合会)の会長になること。経団連のパワーって、かつて「財界総理」とも呼ばれていたほど。皆さんが考えているよりずっと大きい。
現在の十倉雅和会長は素敵な人ながら、いかんせん出身企業が住友化学で弱い。「改革しよう」という気構えがなく、政治家や役人と戦う意識だってないように見える。結果、経団連の存在感はかぎりなく薄くなってしまった。
これ、豊田章男会長になる前の自工会(自動車工業界)のようなもの。会長の当番が回ってきたからと、イヤイヤ担当してました。存在感も東京モーターショーの主催くらいしかない感じ。
が、豊田章男会長になってから550万人の仲間の代表になり、自動車産業の改革を訴えるなど動き始めた。東京モーターショーも名称を「ジャパンモビリティショー」に変更。皆さん、気合いが入っています。
経団連だって同じ。ケツ持ちが住友化学じゃ何もできない。応援してくれる仲間だっていないです。住友化学といい関係になってもメリット少ないですから。トヨタや自動車産業が後ろにいる豊田章男さんが経団連の会長になれば、圧倒的な存在感です! 雇用や地域活性化など多くの影響力を持つし、自動車産業に協力したい企業などもたくさん出てくるに違いない。
そういったパワーを使い、自動車を巡る不公平な税制や環境をひとつずつカイゼンしてしていって欲しい! 利権まみれの政治家や行政に任せておくとまったく進まないエネルギー対策も、さまざまな方法で取り組むよう働きかけられることだろう。エネルギー改革は待ったなしです。強盗が入り込めないから安心して住めるウーブンシティのような環境作りもお願いしたい。
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