2022年8月にフルモデルチェンジしたトヨタ 新型シエンタ。発売から6カ月が経過した今の評価について解説していく。筆者によるユーザーや、ディーラー営業マンへの取材を元に、新型シエンタの立場を考察する。
文/佐々木亘、写真/ベストカー編集部、TOYOTA
■新型シエンタ発売から6カ月が経過した今の評価をどう検証する?
2022年8月に登場したシエンタ。子犬が走り回るCMは、先代までの精悍なイメージから、新型シエンタを優しい印象に大きく変化させる原動力となった。
発表後からは好調に売れており、2022年10月には1万739台で登録車月間販売トップ。その後も11月には1万167台、12月は9348台でトップを維持している。ただ、コロナや海外情勢などで、自動車生産が不安定な中、販売台数でクルマの良し悪しを考えるのも難しいはず。
そこで、本稿ではシエンタの通信簿を付けるにあたり、実際のユーザーや検討ユーザー、そしてディーラー営業マンからの生の声を聞きまくり、評価の軸にすることとした。新型シエンタは成功したのか、それとも奮わなかったのか、5段階評価で検証していく。
■新型シエンタの購入ユーザー層は変化したのか
初代・2代目と、シエンタを好んでいたのは20代中盤から30代後半までの子育て家族と、60代以上の1BOXミニバン卒業組だった。2代目では、スタイリッシュなエクステリアデザインで、少し若返りをしたものの、メインターゲットはあまり変わっていない。
3代目になり、初代へ原点回帰したような「シカクマルシルエット」を採用して可愛らしさが加わった。女性ユーザーからの支持はますます強くなり、若年子育て世代を中心にして、人気は拡大していった形だ。
●先代ユーザーの期待に応えた度「4」
加えて、フェンダーアーチの素地化や、バンパー先端にプロテクションモールを採用するなど、少々ラフな使い方にも対応できるようになった3代目シエンタ。先代のGLAMPERやFUNBASEの流れをくむように、標準的モデルの中にアウトドア要素を楽しめるクルマのイメージを付けている。
こうしたクルマの方向性は、2023年1月に開催された東京オートサロンの会場でも如実に表れており、アウトドア仕様・キャンパー仕様のシエンタの姿を多く見かけ、来場者はカスタム方法などを熱心に聞いていた。
家族ユースはもちろんだが、ソロキャンプ、友人キャンプなどにも活用の場を広げつつあるシエンタは、新型になり購入ユーザー層を大きく広げている。
単なるコンパクトミニバンではなく、少しSUVテイストを加えられたことで、シエンタの魅力は格段に大きくなった。トヨタ車の中でも、お客様を選ばないクルマの代表格になり、販売に大きく貢献しながら、ユーザーの希望を叶えている姿は、クルマとして満点の存在であろう。
●新たな魅力の発信度「5」
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