2023年4月7日、トヨタが佐藤恒治新社長のもとで新体制を発表した。中嶋裕樹副社長、宮崎洋一副社長とともに都内で会見を開いた佐藤新社長は「継承と進化」を掲げ、百年にい一度の自動車変革期を乗り切ってゆく方針を示した。
文/ベストカーWeb編集部、写真/TOYOTA、ベストカーWeb編集部(アイキャッチ写真は会見で「2026年に投入する」と発表されたトヨタの新しいBEV)
■2026年までにBEV新型10モデル投入し150万台/年
「もっといいクルマを作ろうよ。これが、わたしたちがこの13年間つちかってきた価値観です。この軸をぶらさずに、クルマを中心としたモビリティカンパニーへの変革を目指してまいります」
この日、トヨタは新方針「トヨタモビリティコンセプト」を発表し、その冒頭で佐藤社長は上記のような心構えを語った。
自動車のありかた、社会でのポジションが変わってゆくなかで、「マルチパスウェイ」、つまりハイブリッド、PHEV、BEV、FCV、H2(水素)、CN燃料(合成燃料)と、それぞれの次世代技術を全方向で開発してゆく方針をあらためて説明。そのうえで、クルマの進化の方向性を、「電動化」、「知能化」、「多様化」と3つの柱を立ててゆくとのこと。
会見ではFCVの商用車展開や、(停電時にクルマのバッテリーから給電できる)自動車の社会化、トヨタの開発する車載ソフトの開発基盤(プラットフォーム)「Arene(アリーン)」の展開などさまざまな分野での方針が語られた。
そうしたなか、特に自動車専門メディアとして注目したいのが、トヨタの新たなBEV戦略。本年度よりトヨタはBEV専任組織を新設し、ひとりの責任者(ワンリーダー)のもとで開発、生産、事業を一気通貫で取りまとめる体制を構築。
その成果として2026年までに10車種の新型BEVをグローバルに投入、年間販売台数150万台を目標とする。
約150万台といえば昨年のテスラの年間販売台数(約130万台)を超えることになる。それを3年後、2026年までに達成するというのだから、大変強気といえる。これは2021年12月に豊田章男社長(当時)が発表した「2030年までに350万台/年」という計画に沿ったものだという。
さらにそのうえで、2026年にはまったく新しい、「こころ揺さぶる」「高効率な」、そして「クルマ屋が創る」BEVを投入予定だとのこと(会場で写されたスライドではカリカリのスポーツカーに見える/当記事アイキャッチ写真参照)。
巨人トヨタがいよいよBEVに本気を出してきた。今後の佐藤社長の大胆な戦略に期待したい。
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