国内市場で絶好調なのがコンパクトSUVだ。2022年はライズ、ヤリスクロス、そしてカローラクロスが大ヒット。車名別の販売台数ではヤリスやカローラが大きな数字となっているが、その半数以上がヤリスクロスであり、カローラクロスとなっている。こんなにも「クロス」が強い理由はどこにあるのか?
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部
■トヨタのコンパクトSUVが大ヒット中身
今はSUVの人気が高い。ボディの基本スタイルは、ワゴンや5ドアハッチバックと同様だから、前後席ともに居住空間が広く荷物も積みやすい。3列のシートを装着して、多人数乗車を可能にしたSUVもある。
その一方でSUVの外観は、厚みのあるフロントマスク、大径タイヤの装着などにより、ワゴンやハッチバックよりも存在感が強くてカッコイイ。この絶妙なバランスで、SUVは人気のカテゴリーになった。
小型/普通乗用車市場に占めるSUVの割合は、15年ほど前までは10%少々だったが、今は30%に近付いてミニバンを抜いた。SUVの中でも特に販売の好調な車種は、全長を4500mm以下に抑えたコンパクトモデルだ。
トヨタ車が絶好調で、2022年におけるSUVの国内販売1位はライズであった。1か月平均で約6968台を登録した。
2位はトヨタヤリスクロスだ。2022年の1か月平均登録台数は6890台で、1位のライズに迫る。ハッチバックやスポーツモデルのGRヤリスを含めたヤリスシリーズ全体に占めるヤリスクロスの割合は49%だ。
日本自動車販売協会連合会のデータでは、「ヤリス」は2022年における小型/普通車の登録台数1位とされるが、実際はその約半数がコンパクトSUVのヤリスクロスであった。
3位もトヨタ車でカローラクロスだ。2022年の1か月平均登録台数は4923台で、カローラシリーズ全体の45%を占めた。日本自動車販売協会連合会の発表では、「カローラ」は小型/普通車の登録台数2位だが、実際は半数近くがカローラクロスだ。
以上のように、2022年の国内市場におけるSUVの販売上位3車は、ライズ/ヤリスクロス/カローラクロスでトヨタ車が並んだ。SUVの登録台数4位は、ホンダヴェゼルで、2022年の1か月平均は4228台であった。ヴェゼルも全長を4500mm以下に抑えたコンパクトSUVだ。
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