2023年5月27日、富士スピードウェイにてスーパー耐久シリーズ戦「富士24時間レース」が開催された。その会場のメインスタンド前「イベント広場」に異様なオーラを放つ展示車が。見ればこれまでモックアップ仕様しか公開していなかった新型クラウンセダンの、(デザインも内装も市販仕様と同等の)最終プロト仕様が展示されていた。2023年秋に日本市場で発売される新型クラウンセダン、「生」で見るとすげえカッコいいです。
文、写真/ベストカーWeb編集部
■富士スピードウェイで明日まで公開中
今年で6回目となる富士24時間レースは、トヨタ佐藤恒治社長やマツダ毛籠(次期)社長が出席し、モリゾウ選手(トヨタ豊田章男会長)がドライバーとして参加するなど、いまや日本自動車界の「社交場」のような存在になっている。
泊りがけの来場者も急増しており、フランスのル・マン24時間レースやアメリカのインディ500のような「モータースポーツ文化」を体現したイベントへと成長している。
そんな富士24時間レース開催中の富士スピードウェイに、一般には世界初披露となる新型クラウン(これまでは「モックアップ」だったが、今回展示されたのは、デザインも内装も市販車と同じであとは足回りや動力ユニットの最終調整を残すのみとなった「最終プロト仕様」)が出展された。
メインスタンド前の「イベント広場」奥に明日(5月28日)まで展示されているので、今から向かえば「生」で見られるかも。
新型クラウンセダンはFCEVとHEVの2仕様が用意され、今回の展示は水素を充填し電気モーターで駆動するFCEV仕様。現場の説明員の方に確認したところ、乗り味は「これまでのクラウンらしさを極めたモデル」とのこと。
MIRAIよりもホイールベースを80mm伸ばして全長は5030mm、(これまでのクラウンセダンには全幅1800mmまでという「縛り」があったが)全幅1890mmという堂々としたフォルムは、広大でゆったりした室内空間の快適性と高級車らしい存在感のあるデザイン、セダンらしいスマートな佇まいをすべて併せ持つ。
特にリア周りのベルトラインがフラットになったことで、後ろから見た姿が「筋肉質」に見え、他のクラウンシリーズと比べても頭ひとつ抜けた「存在感」を持つのがこの新型クラウンの特徴だとのこと。
今回の展示では「運転席・助手席のドアのみ開閉可能」という条件だったので内装も撮影させていただいたが、後席フロアにある(運転席側と助手席側の間にある)盛り上がりは、水素タンクが積まれているという。本来ガソリンエンジン仕様のFR車はドライブシャフトが通っている空間だが、この新型クラウンはFCEVで後輪駆動。駆動用モーターはリアに設置されており、床下に水素タンクが配置されているという。
走行性能は「ショーファードリブン」(後席に乗る乗員を優先したデザイン、パッケージング、走行性能)で、先日上海モーターショーで発表された新型レクサスLMに搭載される「リアコンフォートモード」を、この新型クラウンセダンにも用意されるとのこと。
この新型クラウン、日本市場での発売は(HEV仕様、FCEV仕様ともに)2023年秋となっており、あと半年をきっている。この段階で最終仕様としてFCEVの左ハンドルを出展するということは、「HEVとFCEVは同時発売」、「日本だけでなく中国か米国でも同時発売」の可能性が高まったと見ていいだろう。
初めて太陽の下で最終仕様を目撃した感想としては、屋内や写真で見るより断然カッコいい、というところ、特に大径タイヤ(ダンロップの「e-SORT MAXX」245/45ZR20だった)とのデザインのマッチングが抜群。でっかいタイヤがグラマラスなボディの四隅でしっかり存在感を主張しており、「ザ・高級車」というイメージ。これが個人タクシーやパトカー用車両になっていくと考えるとなかなか胸が熱いぞ。
早く動いているところが見たい。もちろん乗りたい。重ねて、日本発売は今秋。クーペSUVのクラウンスポーツが9月頃の登場と予想されているから、このセダンは10月頃だろうか。楽しみです。
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コメント
コメントの使い方リヤはクロスオーバーよりかっこいいな