若い頃、スポーツカーに乗っていたお父さん! もしくは今、スポーツカーに乗りたいのだけれど、家族のためにファミリーカーしか乗れないと嘆いている人、ぜひ注目してほしい!
やっぱり、スポーツカーでなくても意のままに操ることができるクルマがいいですよね。
それに、やっぱり家族も大事。ドライバーだけでなく家族も満足できるおススメの人馬一体車を紹介していこう。
文/松田秀士
写真/ベストカー編集部 Adobe Stock
■意のままに操れる「人馬一体」の定義とは?
意のままに操れて、家族も満足する走って気持ちのいいクルマ、というのが今回のお題。そこで、私、松田秀士が「人馬一体車探検隊」の隊長として、各カテゴリーのおススメ車を紹介していこう。
まず、私、隊長の人馬一体の定義を聞いてほしい。ボディ剛性、サスペンション、タイヤを含めたメカニカルグリップと、エンジンパワー&トルクキャラクターとがバランスしていること。
これはパワーがあっても3種類合計のメカグリップがプアーじゃダメで、またその逆のいわゆるシャシーが勝っていてもダメ。これはまずドライバーが気持ち良くない。
次に旋回中の修正舵は少ないに越したことはない。日本には少ないが、コーナリングに入って深く曲がり込んでいるコーナーを走るとき、ドライバーが最初に予測した操舵角が一発で決まること。曲がり込むにしたがって、切り足したり戻したりといった微小な修正舵をできるだけ必要としないことが理想。
修正舵が多いと同乗者も人馬一体になれない。この部分に関しては、ドライバーが持っている時間軸(1秒を感じる長さの意)とクルマの許容時間軸(修正に早すぎても遅すぎてもある程度許容するという意)がフィットするかどうかということが考えられる。
次に、コーナーに気持ち良く飛び込めるか。これは、高速でコーナーに進入する時、リアが不安定だと恐ろしい。
■F3000時代の鈴鹿130Rコーナーを思い出した!
この話をする時に、私は必ずF3000時代の鈴鹿サーキットの130Rコーナーを思い出す。280km/h近い速度、ノーブレーキでエイ! とばかりにステアリングを切り込むのだが、リアのグリップが薄いと本当に恐ろしい。だから人馬一体車はリアがしっかりと安定していなくてはいけない。
しかし、リアがグリップしすぎると今度はステアリング切っても応答がゆっくりとなり、そのうちコーナーはどんどん深くなり、フロントタイヤ切れ角は深くなり、グリップを失う。いわゆるアンダーステアだ。
怖いのはその先で、アクセルを踏み込むと今度はリアがグリップを失う。ステアリング切れ角が大きいから、リアのヨーモーメントが大きくコントロール不能のスピンとなる。
私は、昔の130Rで2回ばかし、やらかした。全損ですわ。ま、そんなことはさておいて、わかってもらえただろうか? 気持ちよく飛び込めるハンドリングとは、そのように奥が深いのだ。
このコーナー飛び込みにおける前後のグリップバランスがしっかりしていれば、コーナーパワーオン脱出でのリア荷重による操舵角変化とトラクションのバランスも良く、理屈抜きに何も考えることなく気持ちよくアクセルを踏んでコーナーを立ち上がれるのだ。
そして、最後に重要なのがクルマの上下動。ピッチングとかバウンシングというやつ。
人間の眼は最近の優秀な動画撮影カメラのように手振れ補正機能が付いている。
オプションで買わないといけないような優秀なレンズダイレクト式の手振れ補正もあれば、デジタル補正のみの者もいる。
つまり、これはドライバーによって個人差があるのだ。そのドライバーに手振れ補正なしでも快適なドライブを約束してくれるようなフラットライド感が重要。
これは同乗者にとっても快適。それに直進・旋回時のピッチング&バウンシングが少なければ、タイヤがしっかりと路面を捉えているということ。メカグリップには重要だ。
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