STIのコンプリートカーといえばSシリーズのように思い切り走りに振ったクルマが多いと思うのだが、今回試乗したレヴォーグSTI Sport ♯はちょっと違った上質感をさりげなく匂わせる。試乗レポートをお送りしよう。
文/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生、写真/STI、ベストカーWeb編集部
■576万4000円の価格設定ながら瞬殺!
そもそもは2023年1月の東京オートサロン2023で初公開されたレヴォーグSTI Sport ♯。500台限定で価格は576万4000円。ベースとなったのは2.4LターボのFA24ターボを搭載するSTI Sport R EXで、こちらは482万9000円なのでほぼ100万円の上乗せとなっている。
このレヴォーグSTI Sport ♯、発表された段階で限定500台は即完売……ということで残念ながらもう買うことはできない。が、ようやく試乗車が用意できたとのことから今回、この貴重な限定車に乗ることができた。ちなみに2023年7月25日に試乗したのだが、この時でさえまだ納車できているのは全500台のうち400台ほどだったとか。
さて、この限定車「♯」。最初に設定されたのは2020年夏、当時モデル末期だった初代WRX S4の500台限定車として登場。STI Sport本来のコンセプトを守りながら、「動的質感」と「静的質感」をより研ぎ澄ました「STI Sportの完成形」を目指したコンプリートカーだった。でも、なぜ「♯」なのだろうか?
実はその進化を表すために、音楽において半音を上げることを意味する記号「♯」(シャープ)がネーミングされたのだった。どんなクルマでも、ドライバーの操舵に対し、クルマの反応にほんのわずかな遅れがある。
その遅れは、ドライバーの意思とクルマの反応にズレが生み、運転の愉しさ、気持ちよさを感じることができない。STI Sport ♯は、この遅れを徹底的に小さくするSTI独自のチューニングを行っていた。
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