■STI Sport ♯ならでは細やかなチューニングも
今回のレヴォーグSTI Sport♯もコンプリートとしての方向性は同じ。STIパフォーマンスパーツをはじめとする特別装備を採用し、専用チューニングすることで操縦安定性の向上と、より上質な乗り味を実現。エクステリアでは、フロントグリルやドアミラー、インテリアではウルトラスエードを使用したRECAROシート(現行型レヴォーグでは初装備)やルーフトリムなどをブラックで統一することで、余裕と落ち着きを感じさせる静かな佇まいと、上質な車内空間を実現。
また、足回りには、スーパーブラックハイラスター塗装を施した19インチBBS鍛造アルミホイールと、ミシュラン製ハイパフォーマンスタイヤ(パイロットスポーツ5)を採用。
新開発のSTI製フレキシブルドロータワーバーを採用するとともに、STI製フレキシブルドロースティフナー、スバルパフォーマンストランスミッションオイルクーラーなども搭載することで、パフォーマンスワゴンとしての資質と品格を丹念に磨き上げているという。
ちなみに発売時にカタログには謳われていなかったのだが、このレヴォーグSTI Sport ♯には湾曲したタイロッドエンドを採用してステアリング操舵に対する挙動をマイルドな方向にし、リアサブフレームフロントブッシュの締結ボルトを大径化することでステアリング反応を向上させるなど細やかな調整がされている。そのあたりを試乗でみていきたい。
■ベース車との比較試乗をしたところ……
まずはベースとなったSTI Sport R EXから試乗。ZF製の電制ダンパーが採用されているが、相変わらずその上質な走りは国産最高峰ステーションワゴンといった感じで「正直、このベース車で充分じゃね?」と思ったほど。同じエンジンを積む現行型WRX S4よりも、あたりはマイルドでおさまりもいい。
ここでSTI Sport ♯にスイッチ。19インチの40扁平タイヤを履いていることを考えると、驚くほど滑らかに路面からの入力をいなしてくれるのが印象的だ。それは一般道を走り始めた瞬間から間違いなく実感できる。ベースモデルも充分、出来のいいスポーツワゴンだと思っていたが、剛性感がまるで違っていたのはフレキシブルドロータワーバーやフレキシブルドロースティフナー装着の効果なのだろう。
続いて一般道から高速道路へ。今回の試乗コースは東京・三鷹にあるSTI本社からその周辺だったのだが、中央道に乗ってみた。車速が上がると今度は一般道でのフィーリングから変わり、徐々に引き締まった乗り心地に。それでも不快な印象はいっさいなく、心地いい安定感というべきか、欧州製ステーションワゴンの乗り味に近い感じだった。
STIパフォーマンスマフラーによる低音の効いたボクサーサウンドも、控えめながらスポーティ感を高めてくれている。何というか、上質感が明らかに1クラス上になった錯覚を感じる。確かにベース車でも充分に満足できるパフォーマンスながら、一度こちらに乗ってしまうと100万円上乗せしてでも購入してしまいそうだ。そんな魅力がSTI Sport ♯にはある。
これまで先代WRX S4、そして現行型レヴォーグに登場したSTI Sport ♯。ひょっとしたら追加販売される可能性もなきにしもあらず……でも今度は現行型WRX S4に設定してくれないだろうか。先代WRX S4に8年間乗っている筆者としては密かにそう願っていたりする(笑)。
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