販売開始から13年が経過した現行型(3代目)のトヨタ・エスティマ。
2016年6月に大幅なマイナーチェンジを行い、世の中をザワつかせた。
アルファード/ヴェルファイアのようなハコ型のミニバンが主流となるなか、“天才タマゴ”という初代モデルから引き継いだワンモーションフォルムを守り通しており、ミニバン界全般に派手なフロントフェイスが増えていくなかで、独特の存在感を発揮し続けている。
そんなエスティマは、新車販売台数こそ低迷しているものの(2019年3月エスティマの月販台数は968台。参考値としてアルファードは同年同月7596台、ヴェルファイアは4626台)中古車市場では依然、他のミニバンを寄せつけない強さを発揮しているという。
本稿ではそんなエスティマの中古車最新事情を、中古車市場に精通する萩原文博氏に伺った。
文:萩原文博
■純ガソリン車とHV車で市場動向が違う
現行型のエスティマのガソリン車は2006年1月、そしてハイブリッド車は同年6月に登場している。登場からすでに13年も経過したロングセラーモデルとなる。
この年月の間に内外装の変更を伴うマイナーチェンジは2008年、2012年、2016年と3回行われている。直近の2016年6月に行われたマイナーチェンジでは、内外装の変更に加えて、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスC」の標準装備化、サスペンションのチューニングの最適化。
そしてガソリンエンジン車は3.5Lエンジンが廃止され、2.4Lエンジンのみとなり、ガソリン車、ハイブリッド車ともにエアロパーツを装着したアエラスのみとなるなどモデルの統廃合が行われている。
現行型のエスティマは10年以上も販売されているモデルだけあって、中古車の流通は豊富で価格帯も幅広くなっている。
まず流通台数から見てみると、ガソリン車は約2150台、ハイブリッド車は約420台と圧倒的にガソリン車が多い。そして中古車の価格帯だが、エスティマのガソリン車は12万~399万円、そしてハイブリッド車が29万~479万円と非常に幅広いのが特徴だ。
続いては年式による流通台数を見てみよう。
ガソリン車は登場した2006年モデルが最も多く約23.3%を占めている。続いて多いのが1度目のマイナーチェンジを行った2008年で、その後はモデル初期の年式が多い。
しかし、商品力を上げるためのカンフル剤となるマイナーチェンジは一定の効果があり、2度目の2012年、3度目の2016年は一時的に流通台数が増加している。
いっぽうのエスティマハイブリッドは1度目のマイナーチェンジを行った後の2009年が最も多く、次に多いのが2度目のマイナーチェンジを行った2012年となり、流通台数は2009年~2014年に集中するなどガソリン車とは異なる分布となっている。
これは、ガソリン車に比べて、ハイブリッド車の価格が高いことも影響していると思われる。
■ここ3カ月でほとんど値落ちなし!?
それでは、現在エスティマ/エスティマハイブリッドの中古車が買いのタイミングなのかどうかを図る「平均価格の推移」を見てみたい。
まずはガソリン車から。
中古車全体の平均価格は3カ月前が94万円で、今月は93万円と実質的に横這いとなっている。これは年式の古い中古車が多いため、底値となっていると考えられる。
そこで、より詳細に値動きを調べるために、登場した2006年をはじめ、マイナーチェンジ毎に相場の動きを見てみる。
初期モデルの2006年式3カ月前が51万円で、現在が47万円と4万円の値落ち。1度目のマイナーチェンジを行った2009年式は130万から117万円と13万円の値落ち。2度目のマイナーチェンジを行った2012年式は189万から176万円へと13万円の値落ち。そして3度目のマイナーチェンジ後の2016年式は300万から290万円と10万円の値落ちを示している。
同様にエスティマハイブリッドの平均価格の推移を見てみる。全体では3カ月前が170万円で今月は163万円と7万円の値落ち。そして登場した2006年式は79万から74万円と5万円の値落ち。1度目のマイナーチェンジ後の2009年式は156万から154万円でほぼ横這い。2度目のマイナーチェンジ後の2012年式は222万円から210万円と12万円の値落ち、3度目のマイナーチェンジ後の2016年式は366万円から366万円と横這いとなっている。
こうして見てみると、現行型エスティマの中古車はガソリン車とハイブリッド車で値動きは異なるものの、2度目のマイナーチェンジを行った2012~2013年式の値落ちが大きくなっており、比較的狙い目ということがわかった。
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