2021年に欧州で始まる新たなCO2排出量規制。メーカーごとに厳しい規制値が設けられ、その規制値を超えると罰金が科されるとあって、自動車メーカーは早急な対応を迫られている。
そういった事情もあり、今後はピュアEVやPHVといった電動化車両がますます重要となるのだが、それはグローバルでクルマを販売する国産メーカーにとっても同じこと。
現状EVというと日産リーフの独壇場という感じだが、今後は他メーカーからも続々と電動化車両が登場してくる。
※本稿は2019年3月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年4月26日号
■ホンダeは電動化の急先鋒となるか
まず注目すべきは、先のジュネーブショーで発表されたホンダの「eプロトタイプ」。
●ホンダ eプロトタイプ(2020年夏登場)
2017年のフランクフルトショーで発表された「アーバンEVコンセプト」を、さらに市販に向け煮詰めたものだが、フィットよりもひと回り小さい全長4m未満のボディサイズで航続可能距離=約200kmと、シティコミューターに特化した性能を与えられているのが特徴。
新たに開発したEV専用プラットフォームを採用した後輪駆動という点もユニークで、これまでの国産EVにはない運転特性は、運転の楽しさが後回しになりがちだったEV界において、強烈な存在感を発揮してくれそうだ。
日本発売は2020年度ということで2020年4月以降。おそらく2020年夏に発表・発売となるだろう。
■その他のピュアEVを巡る動きでの注目は日産車
日産のラグジュアリーブランド、「インフィニティ」は2025年度までにグローバルでの販売台数の半分を電動化車両と想定しているため、当然これから出てくるモデルも多くが何らかの形でモーターが関係するものになる。
今年のデトロイトショーに初出展された「QXインスピレーションコンセプト」は、新開発のEVプラットフォームを採用したインフィニティ初のEVクロスオーバー。前後にモーターを搭載した4WDモデルだ。
●日産 インフィニティ QXインスピレーション(2021年登場)
インフィニティブランドそのものは日本には関係ないと考えがちだが、現行スカイラインのように、インフィニティバッジを付けたまま日本に上陸する可能性は充分ある。タイミング的には2021年あたりが濃厚だ。
もう一台の注目モデルが「Qインスピレーション」。
●日産 インフィニティ Qインスピレーション(2021年登場)
2018年のデトロイトショーに出展されたコンセプトモデルで、一時期「次期スカイラインのデザインスタディ」と言われた。
ショー出展時には可変圧縮比エンジンであるVCターボを積むと言われたが、インフィニティの電動化戦略に則り、EVとして開発が進むことになるだろう。
当然、運転支援機能「プロパイロット」も搭載する。
日産はまた、その中期計画のなかで2022年までの軽EV投入を明確に謳っている。どのモデルがEVになるかという問題だが、ふさわしいのはやはりデイズだろう。
●日産 軽EV(2021年登場)
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