新国民車である新型「N-BOX」の影が薄い!? 発表直後なのに注目度がさほどではないのはなぜ?

新国民車である新型「N-BOX」の影が薄い!? 発表直後なのに注目度がさほどではないのはなぜ?

 2023年8月3日にいよいよ登場した新型N-BOX。不動の国内販売ランキング1位を続けてきたN-BOXにしては目立った存在感を示していない感も。そこで、先代型オーナーとしての立場から小沢コージ氏がその原因を探った。

文/小沢コージ、写真/ベストカー編集部

■実際、新型N-BOXの注目度はどうなのよ?

なぜか存在感がやや薄い感のある3代目N-BOX。先代2代目モデルオーナーの小沢コージ氏が分析する
なぜか存在感がやや薄い感のある3代目N-BOX。先代2代目モデルオーナーの小沢コージ氏が分析する

 正直、想定外。ぶっちゃけ拍子抜けかも?  そう、2023年8月3日にお目見えした“待望の”新型3代目N-BOXに対する反応だ。ご存じ問答無用の新国民車で2011年に初代が出て以来、年間販売ではブッチギリの軽自動車ナンバーワン。

 直近でも2015年から2022年まで8年連続ナンバーワンで、登録車を含むオールジャンルでも2022年が1位。それも2021年はとりあえずトヨタヤリスに1位の座を譲ったが、ヤリスがヤリスクロスとの合算であることを考えると事実上の1位。すなわちオールジャンルでもN-BOXは6年連続で1位に輝いたことになる。

 何せN-BOXは2021年5月末時点で累計200万台を突破している。2011年12月に初代N-BOXを発売して以来9年5ヵ月(114ヵ月目)での記録達成となり、これはホンダとして2001年6月発売のフィットシリーズが達成した11年9ヵ月(142ヵ月目)を上回るホンダ最速の記録だ。

 しかも軽は買い換え需要が多い。となると、誰が見ても今の日本で最大の注目新車=N-BOX!? となるハズ。が、ベストカーwebでの記事はもちろん、オザワの動画も注目度は予想以上にしょっぱい。

■初代→2代目への進化と2代目→3代目への進化では幅が違う?

3代目N-BOXのエクステリアは2代目からの変化が少なめな印象を与える
3代目N-BOXのエクステリアは2代目からの変化が少なめな印象を与える

 動画視聴数でいうと新型ランクル250どころか、ぶっちゃけ1000台限定のスカイラインNISMOにも負けている。いったいこれはどういうことか? 理由はいくつか考えられるが、第1に「いまどきユーザーの情報収集の鋭さ」にある。

 実際のところ、3代目N-BOXは2代目に比べて変化シロと進化シロが小さい。初代から2代目はデザインがすっきりクリーンにスマート化したのはもちろん、骨格のプラットフォームをイチから刷新。高張力鋼板を多用し、軽量高剛性化を果たし、エンジンもロングストローク化とホンダ軽初のVTEC技術の採用で主に燃費を伸ばした。

こちらは先代となる2代目N-BOX。初代からの進化度は大きかった
こちらは先代となる2代目N-BOX。初代からの進化度は大きかった

 そのうえ、先進安全だけで10個前後は揃える先進安全装備の「ホンダセンシング」を最安モデルから標準装備。見た目はもちろん中身から一新した。

 かたや今回の新型3代目のプラットフォームは基本キャリーオーバーというもっぱらのウワサ。エンジンもNAはもちろんターボも詳細不明だが、基本ほぼそのまんま。

 どちらも小改良は行われるだろうが、2代目ほどの劇的進化はナシ。イマドキのユーザーである視聴者はその事実を鋭く分析し、読み取っている。焦らなくていいかもと。

 それは昨今の情報が取りやすいネット社会の常でもあるし、順番もある。クルマ好きなら知っているがフルモデルチェンジごとにプラットフォームを変える新車はほとんどない。国産車ならたいてい2世代に1回であり、3世代に1回の場合もある。

 そういう意味では2代目N-BOXのほうが異例だったわけで、3回目は普通に骨格キープ路線。ここから正常なモデルサイクルになったとも言えるが一部ユーザー的にはガッカリかもしれない。

次ページは : ■「ミニマル路線」で外装デザインの違いはさらに小さいが……

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