N-BOXのライバル「スペーシア」にはギアやベースなど派生車が多い印象(新型にもギアは追加される見込み)が、2代目以降のN-BOXはノーマルとカスタムのみ。でも初代には屋根を切って、最大の特徴でもあるスライドドアすら取っ払ちゃったN-BOXスラッシュなるモデルも。これ、今見ても秀逸なデザインのため、復活切望!! どうでしょうか、ホンダさん!!
文/奥野大志(Team G)、写真/ホンダ
■大空間の象徴である初代N-BOXのルーフをばっさりカット
N-BOXスラッシュはNシリーズの第5弾として、2014年にデビュー。その名の通りN-BOXの派生モデルで、広い室内を生み出すハイルーフを大胆にカット。
リアドアはスライドドアから開閉式に変更され、さらにドアノブも隅に配置されるなど、スタイリング重視のつくりが特徴で、N-BOXとは別物のクーペスタイルをまとっています。
2017年に本家N-BOXが2代目に進化。N-BOXスラッシュも進化すると思われましたが、マイナーチェンジや特別仕様車の追加のみで併売を続け、2020年に生産終了。
3代目N-BOXがアンベールされた現在、3代目ベースでの復活に期待するしかない状況です。
■クルマに個性や所有欲を求める人がN-BOXスラッシュを購入
そんなN-BOXスラッシュは2014年の12月22日に発売。翌年の2月にはホンダが1月末時点で6500台超を受注したというリリースを発表しています。
デビュー当時の販売計画台数は月間2500台なので、3か月分に届きそうなレベル。リリースの文面にもある通り、好調な立ち上がりでした。
人気を集めた理由は使い勝手の良いN-BOXに趣味性をプラスしたユニークなコンセプトにあります。
すでに本家N-BOXで評価を確立していた基本設計はそのままに、チョップドルーフ化したことで、クルマに個性や所有欲を求める人々が飛びついたのです。
大きなくくりで言えばN-BOXとほぼ同一車種ですから、家族を説得しやすい面もあったでしょう。
■メーカーカスタムのパイオニア的存在
軽自動車の王道とは真逆のコンセプトを持つN-BOXスラッシュですが、それだけに遊び心あふれる仕様や装備が盛りだくさん。
その代表例がインテリアカラーパッケージで、シート柄や内装色をトータルコーディネイト。
アメリカのレストランをイメージした「ダイナ―スタイル」や、アウトドアテイストを強調した「トレッキングスタイル」などが市販され、購買意欲を多いに刺激しました。
また、2トーンルーフやルーフ同色のグリル、1円玉風のホイールキャップなど、現在の人気カスタムトレンドを先取り。
それらは2代目N-BOXでも採用され、今では定番のカスタムになりました。
時間の経過とともに販売台数が減っていったのは、販売計画台数の低下からも明らかですが、今でも大事に乗っている人は多く、一代限りのモデルになっているのは残念で仕方ありません。
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