バスの車両に色々な種類があるのは周知の通りだ。その中で「トップドア車」というジャンルが存在するが、どんなバスのことを指すのだろうか。
文・写真(特記以外):中山修一
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■とりあえずは先端にドアの付いたバス!?
「トップドア車」と呼ばれるバス車両を大雑把に言うと、ドアが1カ所しかなく、なおかつ前輪よりも前にドアを設置した車両がそれにあたる。
先端=topに扉=doorが付いているということがトップドアの由来。しかし、これはどうやら和製英語らしい。
英語圏のバス車両にもドア1箇所のモデルは普通にあるが、Top door busとは呼ばず、「シングルドア」のような表現でザックリ区別するくらいに留まっている。
「トップドア車」は、バス車両のジャンル分けが世界的にも抜きん出て細分化している、日本独自のキメ細やかな言い回しとも取れる。
■割と複雑? なトップドア車の条件
ドアが1カ所+前輪よりも前に付いてさえいれば、どれでもトップドア車に当てはまる。
ただし、バス趣味では高速バスや観光バスで使われる、ハイデッカータイプの車両はトップドア車に含めず、別のジャンルに分けて扱う傾向が強い。
では、より厳密なトップドア車の条件にどんなものがあるだろうか。まず、トップドア車は高速道路を走らない、一般路線バスの車体をベースにしているのが挙げられる。
全てのトップドア車に当てはまるわけではないものの、外見的にはハイデッカータイプの大型高速・貸切車よりもボデイの背丈が低い。
全体的に角張ったボディを乗せた普通の路線バス車両に準じており、「ドアが1カ所しかない一般路線バス車両」を定義に持ってきても良いくらいだ。
そのほか、大抵のトップドア車には、一般路線バスと同じく車体の前と横に行先表示が付いている。
車内はハイバックシートのような、一般路線バス車両よりもグレードの高い座席が取り付けられていることが多い。
ちなみに、一般路線バスの見た目をしていて、車内にリクライニングシートが付いている車両に「ワンロマ車」というものがある。
こちらは前と中央の2箇所にドアがあるタイプを指す場合がほとんどで、性質は似ているもののトップドア車とは別ジャンルになる。