サイノスにカレン……ちょっとくだけた「カジュアルFFクーペ」が微笑ましかった時代のモデル3選

サイノスにカレン……ちょっとくだけた「カジュアルFFクーペ」が微笑ましかった時代のモデル3選

 1990年代初頭、カリカリのスポーツクーペではなく、カジュアルでゆるいキャラクターのカジュアルFFクーペが国産各メーカーからラインナップされていた。あの時代ならではのゆる~いキャラの3台を紹介!

文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、日産

■2代続いた“ターセルクーペ”ことサイノス

初代サイノス。小ぶりながらクーペスタイルとしての全体のエクステリアデザインはまとまりがよかった
初代サイノス。小ぶりながらクーペスタイルとしての全体のエクステリアデザインはまとまりがよかった

 1991年1月に登場したのが、まさにカジュアルFFクーペの代表格ともいえる初代サイノスだった。ベースとなったのは1990年に登場した3代目カローラII/4代目ターセル&コルサ。そう、この3代目カローラIIは現在の皇后雅子さまの愛車として有名になったモデルである。

 で、初代サイノスについてはこのカローラIIはおいといて、どちらかというとその兄弟車のターセルとコルサがベースとなっている。北米では3代目ターセルの北米専売モデルとしてクーペも設定されており、いわゆる「セクレタリーカー」(女性秘書向けのクルマ)としての出自を持つ。

 ちなみに日本ではサイノスの車名だったが、海外ではパセオという名で販売されていた。そのデビュー時のキャッチが妙に秀逸で「友達以上恋人未満。」って、当時大学1年だった担当はこのテレビCMでの初代サイノスのキャッチを見て「ああ、アッシー用のクルマなのね~」と勝手に思い込んでいたものだった。

ボリューム感のあるリアビューが特徴的だった初代サイノス
ボリューム感のあるリアビューが特徴的だった初代サイノス

 グレードは2グレード設定だったが、1.5LDOHCを各々設定。上級グレードには電子制御サスのTEMSや4輪ディスクブレーキまでオプションで設定されていた。ボディサイズはターセルとコルサベースなだけあって全長4145×全幅1645×全高1295mm、ホイールベース2380mmと非常にコンパクトにまとめられていた。

 2ドアノッチバッククーペとして当時のトヨタクーペラインナップとしてAE92型カローラレビン/スプリンタートレノの下に位置するカジュアルクーペだったのだが、サイノスは個人的に丸みの帯びたラウンドフォルムがけっこうスタイリッシュで、ミッションもATとMTを設定。

 当時、口の悪い大学の悪友は「ダサイノス」などと酷評していたのだが、3分割式リアスポイラーをまとった全体的なスタイリングは担当も気に入っていた。いや、マジで初代サイノスは自分が乗っても当時のデートカーとしてはイケてるクルマだったのよ。4年間で7万8000台以上売れたし。

2代目サイノスは1995年にフルモデルチェンジを受けて登場。いわゆる正常進化版といった感じであったが……
2代目サイノスは1995年にフルモデルチェンジを受けて登場。いわゆる正常進化版といった感じであったが……

 兄貴分のレビン/トレノほどカリカリしてなくて、さりげなくオシャレにかつカジュアルに乗りこなすクーペ、そんなイメージが初代サイノスにはあった。なのだが、1995年に2代目モデルに切り替わり、テレビCMでは当時時代の最先端を行く小室哲哉率いるglobeのセカンドシングル、「Joy to the love」が起用されたことしかあまり記憶になかったりする……。

 さらに気合いを入れてコンバーチブルモデルまで用意したのだが、販売台数自体は1999年までの4年間で4万3000台弱と初代の半減ほどに。それ以後、トヨタからはコンパクトクーペは残念ながら出ていない……。

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