BYD最コンパクトEV「シーガル」が日本上陸へ! 果たして日本車にとって脅威の存在となるのか!?

BYD最コンパクトEV「シーガル」が日本上陸へ! 果たして日本車にとって脅威の存在となるのか!?

 2023年4月に開催された上海モーターショーで展示されたBYDの最もコンパクトな「シーガル」。いよいよ日本導入されることになりそうな動向なのだが、すでに日本ではその名が商標登録されている。果たして日本で売れる公算はあるのだろうか?

文/国沢光宏、写真/BYD、ベストカーWeb編集部

■ブランドイメージの問題は大きいのだが……

2022年7月、日本市場への参入を発表したBYD。SUVのATTO3とハッチバックのドルフィンはすでに日本で発売を開始しているのだが……
2022年7月、日本市場への参入を発表したBYD。SUVのATTO3とハッチバックのドルフィンはすでに日本で発売を開始しているのだが……

 ジャパンモビリティショー2023にブースを出すことを発表するなど、BYDは日本市場に注力している。とはいえ、我が国において中国車をショッピングリストの上位に上げる人がいるかとなれば、なかなか難しいように思う。かくいう私も現在日本で販売されているATTO3やドルフィンに魅力を感じるかと聞かれたらどうか。

 迷うことなく「いいえ」と答えるだろう。なぜか? やはりブランドイメージなんだと思う。フランスの有名ブランドのバッグは20万円以上することだって珍しくない。同じクォリティのバッグを日本で作ったらどうか? 5万円でも厳しいんじゃなかろうか。ましてやクルマだと信頼性や耐久性だって気になる。

BYDドルフィン。補助金を使うと本体価格は最廉価グレードの363万円が298万円になる
BYDドルフィン。補助金を使うと本体価格は最廉価グレードの363万円が298万円になる

 価格を見れば、ATTO3で440万円。ドルフィンの安いタイプで363万円。65万円の補助金を使えば375万円と298万円になる。日産のARIYAやリーフ、欧州製の電気自動車と比べたら明らかに安い。スペック的には100万円高くたっておかしくないほど(100万円安いと言い換えてもいいです)。なのに、なぜ「いいえ」なのか。

セダンタイプEVのBYD SEAL。ATTO3よりも高価格帯になるのは必須だろう
セダンタイプEVのBYD SEAL。ATTO3よりも高価格帯になるのは必須だろう

 やはり、信頼性や耐久性が気になるからだ。補助金を使っても絶対的な金額としては安くない。そもそも日本では積極的に電気自動車を選ぼうという雰囲気になっておらず。加えてブランドイメージの弱さで厳しいと思う。間もなく日本発売となるATTO3より高価なセダンのSEALはさらに厳しいかと。

■日本での起爆剤になる可能性を持つ「シーガル」

2023年4月の上海ショーで発表されたBYD最小モデルEVのシーガル。クロスオーバーらしい雰囲気を持つSUVタイプのEVだ
2023年4月の上海ショーで発表されたBYD最小モデルEVのシーガル。クロスオーバーらしい雰囲気を持つSUVタイプのEVだ

 じゃあ、BYDは日本で売れないかとなれば、そんなこともない。「シーガル」というBセグの電気自動車を魅力的な値付けで投入してくると手強い存在になると考えます。調べてみたら、どうやらシーガルという車名をBYDが商標登録しているようなのだった。2024年に日本発売という情報も流れている。

 中国におけるシーガルの価格は日本円で150万円から。ドルフィンが同220万円、ATTO3で同300万円という価格を考えると、日本価格で290万円程度か? 65万円の補助金を使うことで225万円になる。このくらいの価格レンジまで下がってくれば、競合相手はフィットやヤリスとなり、装備次第じゃ割安感が強くなる。

 加えて225万円くらいになると電気軽乗用車の価格帯だ。補助金を使うと電池容量20kWhの日産サクラより安い(シーガルの電池搭載量は30kWh)。「ダメでもともと」という気持ちも出てくる。加えて電気自動車は自動車税などの優遇措置があり、ランニングコストは軽自動車と変わらず。

次ページは : ■BYDの日本市場での浮沈のカギを握るシーガル

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