2023年10月15日、大分県のオートポリスで開催されたスーパーGT 第7戦。GT300クラスの56号車リアライズ日産自動車大学校GT-Rはチームランキング4位で迎えた。年間王者の可能性はどうなったのか、オートポリスでの戦いを振り返ろう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:塩川雅人(ベストカーWeb)
■予選から厳しい戦いが見えていたが……
59kgのハンディウエイトを搭載してオートポリスに臨んだ56号車。高低差が50mを超えるアップダウンの激しいオートポリスで、このウエイトを搭載した状況を踏まえると予選は厳しい戦いになりそうと予見された。
実際のところQ1で敗退してしまったものの、想像以上のタイムだったとチーム関係者は話してくれた。こうなるとタイヤのライフ限界までピットインを引っ張りロングランで勝負するストラテジーを立てるのが鉄則だが、今回のオートポリスでは2回のピットインが義務付けられている。
ピットインタイミングが非常に重要なレースとなり、決勝ではKONDOレーシングのあっと驚くストラテジーが炸裂する。
■まさかのピットイン直後にピットイン!!
決勝スタートドライバーは名取鉄平選手。第6戦SUGOではクラッシュの起因となってしまったものの、気持ちを切り替えて戦うことができているようだ。振り返ると今季の56号車はいいペースを築いているものの、最終的に自滅してしまうケースが多いシーズン。
そんな流れをどうにかオートポリスで断ち切りたい、それはドライバーもメカニックも同じ思いだった。いつもとはちょっと違う緊張感がピットには漂う。
いよいよスタート。15番手スタートだが名取選手は完全に戦闘モード。アグレッシブかつ攻めすぎない。攻める姿勢をなくしてしまってはレーシングドライバーとしてのキャリアは厳しく、この走りに安堵したファンも多いだろう。
安定した攻めっぷりの名取選手だが、いつまで経ってもピットに入らない。97周のレースで49周目にようやくピットイン。この時点でライバルのピットタイミングの関係もありトップに躍り出る。
ドライバーをJ.P.オリベイラ選手にチェンジしてピットアウト。順調に周回を重ねると思いきやなんと52周目に再度ピットイン。給油もスプラッシュで済ませ、あっという間のストップ&ゴーのピット作業をこなす。
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