日本の高速道路が「先進国最悪の乗り心地」と言われるのはいったいなぜなのか? 【清水草一の道路ニュース】

日本の高速道路が「先進国最悪の乗り心地」と言われるのはいったいなぜなのか? 【清水草一の道路ニュース】

 クルマと道路は切っても切り離せないもの。交通ジャーナリストの清水草一が、毎回、道路についてわかりやすく解説する当コーナー。今回はいつもなんとなく走っているであろう「高速道路の舗装」について取り上げたい。

文/清水草一、写真/フォッケウルフ、首都高速道路、国土交通省

■日本の高速道路は凹凸が多くて乗り心地が悪い?

 一般に「日本の道路は舗装が良い」と信じられている。舗装に穴ぼこが開いたままの道路はほとんどない。

 高速道路に関しても同様で、「アメリカの高速道路(インターステート)は、州によっては穴ぼこだらけ。それに比べたら日本の高速道路の路面は滑らかで、安心して走れる」などと言われる。

かつて筆者がアメリカでインターステートを走った際に撮った写真
かつて筆者がアメリカでインターステートを走った際に撮った写真

 でも、本当にそうだろうか? 私は逆の感想を抱いている。日本の高速道路は凹凸が多くて、乗り心地が悪い。ヨーロッパ各国に負けるのはもちろん、アメリカと比べても、東海岸や西海岸の富裕な州には負けるかもしれない。いったいなぜか。

 第一の要因は、ジョイント(継ぎ目)の多さにある。

 首都高速のような高架道路には、ジョイントが多数設けられている。建設されてしばらくはおおむね平滑で、ジョイントを乗り越えても「タタン」と音がするくらいで振動はあまりないが、時とともに段差ができ、「ガタン!」というショックが来るようになる。これが乗り心地を悪化させる。

次ページは : ◾️欧米の高速にジョイントが少ない理由

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