国産車の車名はそれぞれにキチンとした由来があるもの。これこそ国産車のキモだが、ことに日産車の車名は語感といいリズムまでもがお見事な印象。そこでサクラやグロリア、セフィーロなど最新車種から過去の人気車に込められた意味を解説!! もうすべてが納得の内容だった。
文:佐々木亘/写真:ベストカー編集部
■日産の源流ダットサンに込められた意味が深い!
日本はもちろん、世界でも認知度が高いダットサン。日産の源流でもあるのだが、ダットサンという名前はどこから来ているのか気になる。
日産といすゞの前身である快進社の時代までさかのぼり由来を確認すると、今の日産のネーミングセンスの良さの基礎は、ここからきているのだろうなと感じた。
大正3年に開発した自動車の支援者に、田健治郎、青山禄郎、竹内明太郎の3人がいた。
この3名の頭文字(Den、Aoyama、Takeuchi)3つを並べ、DAT(ダット)と名付ける。このDATには、非常に速いことの例えである「脱兎(だっと)のごとく」もかかっている。
サンの部分は、元々はソン(SON)であった。生み出された自動車は彼らの息子のようなものということで、息子を示す英単語のsonを当てた。
しかし、SONはローマ字読みすると「損」と同音で、会社経営にはふさわしくないものを連想させるなどの理由から、sonの英語発音と同じSUN(太陽)を据える。結果、「ダットサン」が生まれた。
ダットサンの背景が影響しているのか、日産の車名には、日本語と掛け合わせて意味を持たせるクルマが多い。近年でもその傾向は変わらず、車名に込める思いはひとしおだ。
■葉っぱに桜と植物由来の電気自動車
近年の日産と言えばBEV。リーフがBEVの扉を開け、サクラは普及に一役買った。
リーフは「自然界において葉が大気を浄化するように」、リーフが走行時の排出ガスゼロで大気浄化に一役買いたいという願いが込められた。
サクラは「日本の電気自動車の時代を彩り、中心となるクルマになってほしい」という願いから、日本を象徴する花の桜が選ばれている。
どちらも植物で統一するのが洒落ているし、名づけの経緯を想像しやすいのがイイ。なにより、リーフもサクラも、耳馴染みがあるから覚えやすい。
日産は、言葉が丸く馴染みのいい車名を多くつける。マーチやキューブといった、音から可愛らしさがあふれ出す、いい名前もあるのだ。
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