2Lターボエンジンに7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を組み合わせ、それでいて価格は200万円前半。そんなSUVの新星が誕生だ。
スペックを聞いただけでも魅力的なSUVを手掛けるのは中国のとあるメーカー。中国も今やSUVブーム到来である。
今や自動車先進国の人やモノが、中国車にも積極的に取り入れられているというが、中国車の実力派は、国産SUVと比較してどのようなレベルなのか?
自動車評論家の松田秀士氏が、最新SUVの実力をレポートする。
文:松田秀士
CX-5&フォレスター級でスペック充実の激安SUV「VV6」
まず、試乗車を紹介しよう。WAY VV6は全長4625mm、全幅1860mm、全高1720mm。国産車でいえばフォレスターやCX-5とほぼ似たようなサイズ感。
搭載されるエンジンは直列4気筒2.0Lツインターボで最高出力197ps、最大トルク355Nmというスペック。これに7速DCTのトランスミッションが接続されていて、0~100km/h加速は9.1秒だ。
サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式、リヤはマルチリンク式。と、スペック的には必要充分以上の性能を備えている。
そこで、さらに驚かされるのがその車両価格だ。WAY VV6には3グレードがラインナップされていて、試乗車は真ん中のFFモデル。その価格はなんと16万2000元(約250万円)だ。
さらに、廉価版モデルでは同じエンジン・駆動方式で14万8000元(約230万円)。ハイエンドの4WDモデルでは17万5000元(約270万円)という価格帯。ちょうど約20万円の価格差で各グレードが展開されている。
これを国産車と比較すると、フォレスターでは最安が「ツーリング」の280万円台。高値の「アドバンス」で309万円台。
CX-5では最安がガソリンの「20S」で257万円台。ディーゼルの最高「XD Lパッケージ」だと333万円台となる。明らかにWAY VV6は安いのだ。
「安かろう悪かろう」と侮れないWAYの立ち位置とは?
「中国車だから安いのは当たり前」という気持ちでこの記事を見ていないだろうか? 実はWAY VV6の製造会社は長城汽車という、中国ではれっきとしたブランド自動車メーカー。
そのなかでWAYブランドは、ちょうどトヨタのレクサスに当たるブランドなのだ。そう、長城汽車本体にもSUVブランドはあるわけで、当然WAY VV6よりも廉価。
えー! WAYってレクサスと同じ土俵なの!? ということになるわけで、そう考えるといかにリーズナブルな価格なのか、ということが見えてくるわけなのだ。
ちなみに、このWAYというブランド名は、長城汽車の社長である魏(wey)氏の名前に由来する。つまり、WAYブランドは社長の肝入りのブランドということになる。
長城汽車は日本にも横浜に法人があり、日本人をリクルートしているので興味のある方は見てみるといい。このホームページには、長城汽車は中国最大のSUV製造企業で中国国内だけでなくオーストリア、ロシア、ブルガリアでも販売しているのだ。
つまり、本体の長城汽車もSUVの本場。そのハイブランドがWAYなのだから、これはもうレクサスそのものである。
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