4月7日に発表された日産エクストレイルハイブリッド。FFとFRの違いはあるもののフーガやスカイラインに搭載されているハイブリッドシステムと同じ、エンジンを完全に切り離すことができる1モーター2クラッチ方式を採用し、低燃費に加え広いEV走行領域を実現していることが特徴だ。このタイミングでハイブリッド仕様を追加した大きな理由は国内市場でハイブリッド車のニーズがいまだに拡大し続けているからだろう。
それはSUVセグメントでも同様で、2014年の新車登録台数のうち3台に1台がハイブリッド車なのだ。SUVセグメントで人気が高いエクストレイルではあるが、ハイブリッド仕様の追加は市場のニーズを汲み取るには必然であったといえる。
ただ、ハイブリッド仕様を追加しただけで人気車種になるほど甘くないのが現在の国内市場。もともと“タフギア”、いわば悪路での走破性には定評があるエクストレイルだが、ハイブリッド仕様は急勾配でエンジンに加えトルクが大きいモーターがアシストするため登坂能力は大きく増すなど“シーンを問わない高い走行性能”がよりいっそう磨かれたことに注目したい。
逆に高速道路ではモーターのみで走行することができるため低燃費に大きく貢献。リッター20.6km/L(4WD仕様は20.0km/L)を実現したエクストレイルハイブリッドはタフギアながら優れた燃費・環境性能を実現しているのだ。
またワクテクと日産が呼ぶ先進安全装備、エマージェンシーブレーキ、インテリジェントパーキングシステム、アラウンドビューモニター、スマートルームミラーすべてを「全部のせ」。“充実した安全装備”は大きなアピールポイントだ。
そんなエクストレイルハイブリッドのライバルといえるハリアーは電気式4WDのため悪路走破性で優位にたてるし、フォレスターはハイブリッドの設定がないため燃費で大きく勝る(フォレスター2.0i-L、15.2km/L)。最大のライバルは燃費がリッター18.4km/L(2WD)で価格帯が近い(283万5000円~)CX-5のスカイアクティブD(ディーゼル)エンジンを搭載した「XD」だと思われるが、先進安全装備をはじめとした標準装備をグレードで比較した場合、エクストレイルハイブリッドのお買い得感が目立つ。
新たに追加されたエクストレイルハイブリッドは数あるSUVのなかで「買いたくなる」モデルであるのは間違いない。
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