イマドキの輸入車はツッコミポイントが多い。車重の重すぎるBEVに賑やかすぎるメルセデスベンツのインテリア、そして見るたび値上げされているクルマの新車価格……。輸入車たちよ、このままで大丈夫なのか!?
※本稿は2023年11月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部、日産、メルセデスベンツ、フォルクスワーゲン、テスラ、プジョー
初出:『ベストカー』2023年12月26日号
■猛烈なEV化が進む輸入車勢
最近のガイシャは、各社猛烈な勢いでEV化を進め、EVに開発力の過半を割いている。その結果、ニューモデルのかなりの部分がEVになっている!
しかし、ガイシャのEVは、大抵デカくて重い。世界一売れているテスラモデルYは、車両重量1930kg。昨年ヨーロッパナンバー1だったVWのID.4も1950kgだ。こういうクルマが本当にエコなのか?
そもそも「EVがエコ」というのは、生産から廃棄まで考えれば疑問、というのが大方の認識になりつつある。EV化はもはや環境対策というより、政治マターなのだ!
仮に、EVのほうがハイブリッドより僅差でエコだとしても、日本のように充電インフラが整っていない国では、EVは不便だ。EV化を先行して進めるガイシャ勢は、日本(や途上国)では、徐々に魅力を失いつつある。
最新のEVはバッテリーの耐久性が向上し、テスラなど30万km持つというが、そこまで使い倒されるかどうかは疑問。廃車になればバッテリーを処理する必要がある。テスラは100%リサイクルを謳っているが、中国ではEVの廃バッテリーが社会問題になりつつある。
■日本車の軽クラスEVに大期待!!
いろいろ考えると今のところEVは、短距離用のコミューターが最も適しているんじゃないか? つまり日産サクラのような軽EVだ。
サクラの車両重量は1080kg。テスラモデルYの半分強しかない。そのわりに電費はよくないが(無念)、生産から廃棄までを考えれば、中・大型EVに比べてかなりエコだ。我々日本のクルマ好きとしては、もっと多くの小型EVに登場してもらいたいところである!
しかしガイシャ勢が、日本に適した安くて小さいEVを続々投入することはあるまい。それどころか、猛烈に高価で狂ったように速い、大量の電気を食うスーパーEVが次々と投入されている。そんなものがエコなはずがない! 話が逆だろ!
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