巷ではフェラーリのエクステリアと比較されるほど、デザインでは高評価を得ているトヨタ クラウンスポーツ。国産車のデザインもここまできたかと感慨に浸ってしまうが、走りはどうなのか? 2023年師走の東京で公道初試乗してきた!!
※本稿は2023年12月のものです
文/鈴木直也、写真/TOYOTA、ベストカー編集部、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2023年1月26日号
■国産車の歴史始まって以来の誇るべき難クセ
最近ネットで笑ったのが、SNSで見かけた「クラウンスポーツはフェラーリプロサングエのパクリ」という書き込み。
よい子の皆さんはご存知のとおり、クラウンの発表は2023年7月15日、プロサングエは9月13日。どちらが先かといえばクラウンのほうが早い。
ま、このタイミングだとどちらも独自にデザインが進行していたというのが事実だろうが、重要なのは、クラウンスポーツのデザインはネット民が「フェラーリをパクった」と勘違いするほどカッコいいと認識されていること。日本車で「フェラーリと似てる」なんて言われた例、これまでなかったと思いません?
そんなわけだから、クラウンスポーツの実車に接した際、じっくりとそのデザインを鑑賞してみたが、いやホントにカッコいいんだわ、これが。
クラウンクロスオーバーに対して、全長を210mm、ホイールベースを80mm短縮したプロポーションは、ぎゅっと引き締まった筋肉質。
グイッと張り出したリアフェンダーにはアスリートの力こぶを彷彿させるエネルギーが漲っていて、それとバランスをとる意味で21インチホイールを自然に履きこなしているのも素敵。スーツをビシッと着こなした大谷翔平って言ったら褒めすぎですかね?
■素晴らしいシャシー性能には文句ナシ!
商業的には、このデザインだけでもう成功も同然だと思うのだが、走りっぷりも予想以上の出来のよさに感心した。今回試乗できたのは2.5LのHEVのみで、パフォーマンス的にはビックリするレベルではない。
エンジン単体で186ps/22.5kgm、全モデル4WDということでリアのeアクスル(40kW)を含めたシステム総合出力は234ps。1810kgの車重に対して充分以上と評価できるものの、全開で踏んでも「パワフル!」と表現するまでのインパクトはない。
その代わりシャシー性能は文句なく素晴らしい。開発者は「単純に固めるのではなく、しなやかに路面を捉え、思ったとおりのラインをトレースできる足を目指した」とのことだが、よく聞くこのコンセプトがお題目にとどまらず、かなりのレベルで表現されているのにはビックリした。
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