■第一弾のクロスオーバーから大きく進化
試乗コースの関係で、ちょっとばかりコーナーを攻められるシチュエーションは首都高のインターチェンジくらいしかなかったのだけれど、正確なステアフィール、ビシッと揺るぎないボディのコントロール、余裕で全開パワーを受け止めて狙ったラインをトレースするロードホールディング、すべてにわたってほとんど文句のつけようがない。
このハンドリングを実現しながら、乗り心地は「しなやか」と表現したいテイスト。トヨタ車の弱点である微小アンジュレーション時のブルブル感も押さえ込まれていて快適だし、言っちゃ悪いけれど第一弾のクロスオーバーから明らかな進化を遂げている。
開発者に聞くと、ダンパーとDRS(後輪操舵)のセッティングを変えたくらいで「そんなに大きくいじってません」とのことだが、スポーツの走りがここまで進化してしまうと、クロスオーバーの立ち位置が少し心配になる。
スポーツのホイールベース80mm短縮は、後席居住性には明らかにマイナスなんだから、クロスオーバーは居住性/快適性重視のサスセッティングに進化させるほうがいいというのがぼくの提案。それくらい、クラウンスポーツのサスは傑出していると感じた次第であります。
●クラウンスポーツ Z 主要諸元
・全長×全幅×全高:4720×1880×1565mm
・ホイールベース:2770mm
・最低地上高:160mm
・車両重量:1810kg
・パワーユニット:直4、2.5Lハイブリッド
・エンジン最高出力/最大トルク:186ps/22.5kgm
・システム出力:234ps
・WLTCモード燃費:21.3km/L
・トランスミッション:電気式無段変速
・サスペンション(F/R):ストラット/マルチリンク
・タイヤサイズ:235/45R21
・価格:590万円
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