ディーラーに行ったときに「近所へのお買い物の使用が多いとエンジンに負担がかかる」などと言われたことはないだろうか?
これ、だまし文句ではなくメーカーが規定する「シビアコンディション」というものに裏付けられた発言なのだ。
1000kmも走ればエンジンに負担がかかるのはわかる気がするけれど、近所の買い物を繰り返すのがエンジンに負担がかかるっていったい??
今回はそんな「シビアコンディション」と呼ばれる条件に付いて、各社の規定といったいどうすればいいのかに迫りました。
文:永田恵一/写真:編集部、AdobeStock
■いったいなにが「シビアコンディション」なの?
クルマに付属する取扱説明書やメンテナンスノート(整備手帳)を見ると、ノーマルコンディションと呼ばれる一般的な使われ方より厳しい使用とされるシビアコンディションという言葉を目にする。
今回は日本の自動車メーカー4社に取材し、各社のシビアコンディションを分類してい見た。
【トヨタ】
・悪路(凹凸路、砂利道、雪道、未舗装路)での走行が走行距離の30%以上ある
具体的には運転者が体に突き上げなどの衝撃を感じる荒れた路面、石を跳ね上げたり、わだち等により下廻りが当たる機会が多い路面、ホコリの多い路面
・走行距離が多い
目安としては年2万km以上
・山道、登坂路の頻繁な走行
具体的には上り下りが多く、ブレーキの使用回数が多い場合。目安としては走行距離の30%以上。
・短距距離走行の繰り返し
1回の走行距離が短く、水温などの各部の温度が低い状態での走行が多い走り方をする場合。目安としては1回あたりの走行距離が8km以下
・長時間のアイドリングが多い
目安としては1日のアイドリングでの累積時間が2時間程度
・1回の運転で低速での走行頻度が多い(ディーゼル車は除く)
目安としては1日で10~15km/hでの走行距離が30km程度ある
・高地走行が多い(ディーゼル車のみ)
標高2000m以上の高地での走行頻度が多い場合。目安としては走行距離の30%以上。
【日産】
走行距離の30%以上が以下の条件に該当する場合
・悪路(凹凸路、砂利道、雪道、未舗装路)での走行
・山道、登降坂路
・走行距離が多い(目安としては年間2万km以上)
・短距離走行の繰り返し(1回あたりの走行が8km以下)
【ホンダ】
走行距離の30%以上が以下の条件に該当する場合
・悪路(凹凸路、砂利道、未舗装路)での走行が多い
・雪道での走行が多い
・山道、登降坂路での走行が多い(上り下りが多く、ブレーキの使用回数が多い場合)
・短距離の繰り返し走行が多い(目安は1回あたり8km以下)
・外気温が氷点下での繰り返し走行が多い
・低速走行が多い(目安としては30km/h以下)
・アイドリングが多い
【マツダ】
・悪路(凹凸路、砂利道、未舗装路)での走行が多い
・走行距離が多い(目安としては年間2万km以上)
・山道、登降坂路の頻繁な走行(走行距離の30%以上が、上り下りが多く、ブレーキの使用回数が多い場合)
・短距離走行の繰り返し(走行距離が短く、水温などの各部の温度が低い状態で使う場合が多い。目安としては1回あたり8km)
・低速走行やアイドリング状態が多い(目安としては30km/h以下での走行が走行距離の30%以上、1日2時間以上のアイドリングが運転時間の30%以上ある)
こうして整理してみると。シビアコンディションに該当する使い方は日本メーカーであれば概ね各社共通である。
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