この春大きな進化を遂げるGRヤリスにWRCの現役チャンピオンドライバーが監修したスペシャルなモデルが誕生する。オジエとロバンペラがそれぞれの想いを込めた特別なGRヤリスが、モンテカルロのカジノ広場で発表された。
文:ベストカーWeb編集部 写真:西尾タクト、ベストカーWeb編集部
■2人のチャンピオンが走りにこだわったモデル
オジエEditionとロバンペラEditionと名付けられたGRヤリスは、「ラリーを愛し、ラリーの現場でクルマを鍛えることにこだわる」モリゾウことトヨタ自動車の豊田章男会長の想いが詰まった特別なモデルだ。「ドライバー・ファースト」の考えを具現化したモデルといってもいい。
モンテカルロを発表会の場所に選んだのは、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の最前線としてWRCに復帰し、多くのファンやラリー関係者に支えられて、GRヤリスを市販し、進化させられたことへの感謝の気持ちを表したかったからだという。そう聞けば、これほどふさわしいところはない。
そして、その発表会がすごかった。モンテカルロで最も有名な観光地の一つであり、セレモニアルスタートが行われるカジノ広場でオジエとロバンペラも参加してアンベールされたのだ。その瞬間上から下から大歓声が巻き起こり、その注目度の高さがうかがえた。
新旧チャンピオンが、それぞれのモデルへの想いを教えてくれた。
ロバンペラは「自分のモデルはとてもクールに仕上がって気に入っている。とにかくスペシャルエディションを作ってくれたモリゾウさんに感謝したい。
ドーナツモードは、モリゾウさんもドーナツターン好きで、一緒に楽しんだこともある。だから、欠かせないモードだね」と楽しそうに教えてくれた。
一方のオジエは「自分の名前を冠したスペシャルエディションができたことにモリゾウさんに感謝している。内外装への自分のこだわりを反映できたこと、特にフランス出身であることを表現できたことを誇らしく思う。皆さんの反応が楽しみだ」。
オジエほどの選手でも、モンテカルロは特別な場所で、そこで自分の名前が入ったクルマが注目されることに、感謝しているのが印象的だった。
どちらのモデルも今春正式発表される改良型GRヤリス RZハイパフォーマンスの6MTをベースにマットステルスグレーや3色塗装を採用し、大型リアウイングや専用グリル、BBS製アルミホイールの採用など外観もこだわりぬいているが、そして走りも標準モデルと差別化されている。
エンジンやサスペンションこそ今春発売の進化型GRヤリスと変わらないが、もっと楽しく大胆にGRヤリスを操れるように新たな4WD制御モードを設定しているのが大きな魅力。
それぞれRZハイパフォーマンスに採用されたグラベルモードとトラックモードを変更し、オジエEditionにはMORIZOモードとSeb.モードが与えられ、ロバンペラEditionはDONUTモードとKalleモードがある。
いずれもGRヤリスが先進の電子制御カップリング4WDを採用しているからこそ、いろいろなモードが作れるわけで、2人のチャンピオンもモリゾウさんも、GRヤリスの秘めたポテンシャルを引き出したともいえる。
例えばDONUTモードはそれこそドーナッツターンがしやすいモードで、ドリフトも得意なロバンペラのために作ったモード。等速リアデフを採用し、50対50の直結にして連続ドーナツターンを可能にしている。
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