観光客はあまり知らないし、行かないところで地元民御用達のスポットは路線バスで行くに限る。今回は地元民しか知らない福岡県の温泉に行ってみたのでレポートする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■福岡県内だからって西鉄だけとは限らない!
今回行った温泉は、福岡県遠賀郡遠賀町の遠賀川温泉だ。正確には冷鉱泉なので加温している。場所は福岡県内だが、西鉄万能というわけにはいかない。もう福岡県内の市町村で西鉄系のバスが走っていない自治体は多い。
遠賀町は一応、西鉄の路線はあるが主要な幹線は相当以前に廃止されている。遠賀川は福岡県の一級河川で、福岡県でも北東部の北九州市に近いし一部の流域は面している。
鉄道は鹿児島本線の遠賀川駅があり、以前は室木線が走っていたが、それもだいぶ前に廃止されてしまった。北の玄海灘方面には芦屋町があり、町営のコミュニティバスが当駅まで走っているほか、遠賀町営のコミュニティバスもある。
西鉄系のバスは西鉄バス筑豊が直方から遠賀川駅まで路線を持っている。鹿児島本線沿いにあった黒崎-芦屋・赤間の路線はだいぶ前に廃止されていて、北九州市方面から福岡市方面へ鹿児島本線沿いに路線バスで行くことはできない。
某テレビ番組のようにコミュニティバスを徒歩で乗り継いで行こうと思えば行けないこともないが、まったく現実的ではない。
かといって筑豊線沿いでも北九州-筑豊-福岡を結ぶ西鉄バス筑豊の路線はなく、直方-飯塚間で路線が切れている。よって黒崎から西鉄バス筑豊の急行バスで直方まで行き、JR九州バス直方本線で博多に出るしか路線バスではつながらない。
■最寄りはコミュニティバス
件の遠賀川温泉は、概ね遠賀川沿いにあり最寄りの交通機関は遠賀町のコミュニティバスで牟田入口バス停の目の前だ。ルートは遠賀川駅から401番時計回りルートと402番反時計回りルートの環状線になっており、どちらに乗車しても所要時間は異なるが行ける。
とはいえ、合わせて5便しかないため、現実的な行き方は2通りのダイヤ組み合わせしかない。西鉄バス筑豊の路線だと浅木バス停から少し歩かなければならない。ただし毎時1~2本のバスがあるので時間が合わない場合は西鉄を利用するとよいが、やはりコミュニティバスが目の前なので現実的だろうか。コミュニティバスの運賃は1乗車200円だ。