スポーツカーが寂しい時代ではあるものの、やはり速さ、そして運転する楽しさの追及はクルマの進化で欠かせない部分だ。
アメリカが誇るスポーツカー「コルベット」は古き佳き時代を残すFRスポーツだった。「だった」というのはなんと新型がミドシップへと変革を遂げたから。
そしてデザインがとにかくかっこいい!! まだまだ日本導入は先になりそうだが、新型コルベットの全貌をお届けしよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Chevrolet
■初のミドシップでも研究に60年を費やした自信作
1954年の初代コルベット(C1)から数えること8代目。C8となった新型コルベットは60年以上にわたり守り続けたFRレイアウトからの脱却を図った。
かと言って60年も守ってきたことを「そろそろやめよっか」とはならぬもので、アメリカを代表するスポーツカーとしての歴史を鑑みるとこの決断は大きな勇気が必要だったに違いない。
「ミドシップにしてから変わっちゃったね」と言われないために、相当に力を入れて開発を進めたのは確実だ。
もちろん急な思い付きでミドシップのコルベットを開発したわけではない。あまり知られていないことだがシボレーは60年にわたりミドシップを研究している。
「CERV(Chevrolet Engineering Research Vehicle)」と名付けられた研究車両たちがその歴史だ。
1960年に製造されたCERV Iは葉巻型のフォーミュラカーのようなスタイル。ミドシップにはすでにV8エンジンを搭載していた。
途中CERV IIを経てCERV IIIでは5.7LのV8ツインターボをミドシップに搭載している。このCERV IIIこそ新型コルベットの基礎を築いたクルマとも言えそうだ。
つまるところ、決してコルベットはいきなりミドシップになったわけでもなくその基礎研究はコルベットの歴史とほぼ同じ期間、並行して行われてきたということ。
もうひとつ安心材料があるとすればエンジンだろう。伝統あるV8大排気量エンジンが引き続き採用される。
”LT2″と呼ばれる6.2LのV型8気筒NAエンジンは基本的には現行型をベースにしたものだろう。現段階ではスーパーチャージャー仕様の発表はない。
パワーも495hp、トルク637Nmというとんでもないスペック。 またオイルの循環は先代から採用されていたドライサンプで、コーナリング時のオイルの片寄りの低減も図られる。
0-60マイル(0-96km/h)加速は3秒以下との公式発表もありその俊足ぶりは間違いなさそうだ。
またトランスミッションは8速DCTが搭載されると発表された。いよいよコルベットにもDCTの波が押し寄せた感もあるのだが、まだまだ北米をはじめ3ペダル人気は高い。
現行型のような3ペダルMT(※現行型は7MT)の設定は期待したいところ。
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