数ある日本車で連続ヒットするモデルは実に少数派。モデルチェンジを機に販売が凸凹するのは日常茶飯事だが、ここではフルモデルチェンジによる販売ダウンが激しいクルマを取り上げてみた。(本稿は「ベストカー」2013年2月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:片岡英明 ※グラフ内にある点線はモデル切りかえ時期を示す
■嗚呼、あの世代交代は吉と出ず……
爆発的ヒットとなったクルマに待ち受けているのはフルモデルチェンジという儀式。
クルマをリフレッシュさせるためには必須なのだが、メーカーはヒットすればするほど、それに対する恐怖との戦いとなる。担当主査はやりがいのある半面、もの凄いプレッシャーにさらされるのはいうまでもない。
【画像ギャラリー】「数字がすべて」とはいうけれど……悲運に襲われた7台をギャラリーでみる(7枚)画像ギャラリー■トヨタ RAV4(初代→2代目:凋落率=約85%)
最多販売/7万8316台(1995年)、最少販売/1万1731台(2003年)、凋落率=約85%、マーケットの縮小、フルモデルチェンジ後のデザインが不評。
【画像ギャラリー】「数字がすべて」とはいうけれど……悲運に襲われた7台をギャラリーでみる(7枚)画像ギャラリー■三菱 パジェロ(2代目→3代目:凋落率=約96%)
最多販売/8万1707台(1992年)、最少販売/3515台(2005年)、凋落率=約96%、ブームの終焉、ミニバンの台頭、大型化が大きく影響。
【画像ギャラリー】「数字がすべて」とはいうけれど……悲運に襲われた7台をギャラリーでみる(7枚)画像ギャラリー■トヨタ イスト(初代→2代目:凋落率=約99%)
最多販売/10万3946台(2002年)、最少販売/919台(2012年1~11月)、凋落率=約99%、大型化、コンセプトチェンジにより失敗。
【画像ギャラリー】「数字がすべて」とはいうけれど……悲運に襲われた7台をギャラリーでみる(7枚)画像ギャラリー■ホンダ CR-V(初代→2代目:凋落率=約94%)
最多販売/10万2828台(1996年)、最少販売/8084台(2005年)、凋落率=約94%、大型化に加えマーケット自体が縮小したため苦戦。
【画像ギャラリー】「数字がすべて」とはいうけれど……悲運に襲われた7台をギャラリーでみる(7枚)画像ギャラリー■ホンダ CR-X(2代目→3代目:凋落率=約99%)
最多販売/1万9629台(1988年)、最少販売/190台(1997年)、凋落率=約99%、「デルソル」へとコンセプトチェンジして客層が激変。
■スズキ エスクード(初代→2代目:凋落率=約87%)
最多販売/2万9562台(1993年)、最少販売/3709台(2000年)、凋落率=約87%、大型化、デザインの不評、マーケットの縮小の三重苦。
【画像ギャラリー】「数字がすべて」とはいうけれど……悲運に襲われた7台をギャラリーでみる(7枚)画像ギャラリー■トヨタ ソアラ(2代目→3代目:凋落率=約86%)
最多販売/3万8553台(1986年)、最少販売/547台(2000年)、凋落率=約86%、デビュー直後は好調もデザインの不評、景気の悪化が要因。
* * *
ここに取り上げたモデルたちは、フルモデルチェンジした時の初期受注により、ヒットしたモデルの末期の台数よりアップすることはあるにせよ、その後は右肩下がり……。
中でもワーストワンはトヨタ イストとホンダ CR-X。その凋落ぶりは目を覆いたくなるほど。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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