生産終了後もその人気が衰えず、依然として中古車相場では高値を維持しているエスティマ。今のミニバンからすると機能も装備も一昔前の古臭いクルマだと感じる人もいると思う。だが、3代目エスティマには他車を圧倒する機能が搭載されていたのだ。
文/ベストカーWeb編集部、写真:TOYOTA
■たくさんの先進装備とパワフルなエンジンを搭載した3代目エスティマ
3代目エスティマは2006年1月に発売が開始され、先代からマイナーチェンジをした2.4L ガソリンエンジンと電気式4WD「E-Four」を搭載したハイブリッドモデルの2つが設定された。
またガソリンモデルには新開発の大排気量の3.5 L V6モデルも設定されており、筆者も実際に運転した事があるが、街中での運転はハンドルが重いので中々に取り回しに苦労した。
だが、高速になると話は違う。ミニバンとは思えない走りを魅せてくれるのだ! 7人乗っても力不足を1ミリも感じさせないパワフルな走りはエスティマでしか味わえない物だった。
後はなんと言ってもミリ波レーダーの採用だろう。アダプティブクルーズコントロールに国内唯一のレーンキープアシストを搭載した凄い装備だ。
そして、仕様上の問題でエンブレムの下に装着された為、その見た目からちょび髭と呼ばれ親しまれていた。
■その中でもスーパーリラックスモードは格別よ
2代目エスティマにあったオットマンをさらに改良して、一体型シートとして登場した3代目エスティマのキャップテンシートは、オプションに本革を装着出来るなど至れり尽くせりの物となっています。
また新型から3列目シートを格納式で採用した事で、座りにくい簡易的なシートになるデメリットが生じたが、そのおかげで2列目のシートを後ろに目一杯下げた「スーパーリラックスモード」が誕生したのだ。
この状態のエスティマは正直、初代アルファードやエルグランドにも勝る快適性を保持していたと個人的には思う。
今でこそアルファードの「エグゼクティブラウンジ」やオデッセイの「プレミアムクレードルシート」など2列目を快適にした装備が充実しているが、3代目エスティマが登場した当時は、エスティマを抜いて他にはない独自装備であった。それ故に価値があったのだ。
■あのコンセプトを潰して本当に良かったのだろうか?
エスティマにはこれ以外にも数多くの挑戦があった。2代目のモバイルオフィスや初めてミニバンにハイブリッドを搭載したりと、今に繋がるミニバンの基礎を築き上げたと言っても過言ではない。
これは全くの憶測だが、次世代型が水素自動車で出るとか出ないとかの噂を聞いた事がある。実際に出る可能性は極めて低いとは思うが、筆者個人はエスティマがこのまま終わるとは思えない。
いつかまた、エスティマが何らかの形で帰ってきて、また我々に元気な姿を見せて欲しいなと切に願っている。
【画像ギャラリー】3列目シートを格納式で採用した例は極稀……今じゃ中々味わえない快適性だ!(20枚)画像ギャラリー
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