レクサスと言ったらトヨタの高級ブランドとして世界的に有名なブランドであることは周知の事実であるが、たまーにレクサスであるのが「Mode Black S」といった普段なら設定されない特別色がある。ただ大体採用されるのは「ブラック」などのシブーイ色だ。カッコいいのは分かるんだけど……いったいなんでなのよー!
文/佐々木 亘、写真:LEXUS
■内外に宿る黒へのこだわり
レクサスがブラックにこだわって、多くの特別仕様車を展開するようになったのは、スピンドルグリル採用以降だ。
時期としては2012年以降、特に増えていったのはCT200hにスピンドルグリルが採用され、NXが登場した2014年以降となる。
直近3年間を振り返ると、黒をベースにした特別仕様車の登場は多い。
2021年8月、UXに設定されたElegant Blackでは、スピンドルグリルに漆黒メッキモールを施し、グリルインナー、ヘッドランプ、アルミホイール、ドアミラーにブラック塗装を施した。
同年9月にはISにF SPORT Mode Black Sを設定。マッドブラックのBBS製鍛造アルミホイールを装着し、ウィンドウモールもブラックステンレスへ変更している。
さらに11月にはRXにBlack Tourerを設定した。こちらもスピンドルグリルやバンパーガーニッシュにブラック塗装をあしらう。内装では墨ブラックのウォールナットを、オーナメントパネルの仕上げに使用している。
墨ブラックのウォールナットは、2022年7月登場のES、Graceful Escortにも使われており、こちらはステアリングで黒へのこだわりを見せた。墨ブラックは、これからのレクサスで、ブラック内装のトレンドになっていくかもしれない。
パッと見ただけではあまり大きな変化を感じないが、通が見ると「ココ違うね、特別仕様車だね」とわかってもらえる。
このくらいの変化が、実にレクサスらしい。他人とは一味違うレクサスを所有できる特別仕様車に、今一度注目してみてはいかがだろうか。
■ブラック特別仕様車の原点はX Lineにあり!
国内メーカーの特別仕様車というと、装備を充実させて価格据え置きというお買い得感が強い。いつもなら付属しない(オプション選択)の装備が、標準装備されることが多いので、特別仕様車は売れるクルマになるのだ。
ただ、レクサスの特別仕様車は、専用チューニングや専用デザインが多く、国産他メーカーのように必ずしもお買い得というわけではない。こだわりの逸品をどう評価するかは、ユーザーの判断に委ねられている。
筆者がレクサスで販売に従事していた頃は、特別仕様車の登場と言っても一つの話題程度。
特別仕様車販売中でも、基本的には標準車の注文を受けることが多く、オーナーが飛びついて買うという印象は全くないものだった。
存在の薄い特別仕様車だったが、その潮目はレクサス国内開業10周年を記念して登場した、「F SPORT X Line」によって大きく変わっていくことに。
2015年1月、LS・GS・IS・CTに設定された特別仕様車F SPORT X Lineは、ブラック塗装の専用スピンドルグリル、フォグランプペゼル、アルミホイールなどを装着する。
インテリアカラーは赤と黒でコーディネートされ、引き締まったエクステリアと個性的なインテリアが人気となった。
歴代の特別仕様車の中でもX Lineの評価は高い。レクサスデザインと黒の引き締め効果は相性が良く、これ以降、黒を多く使った特別仕様車が増えていったのだ。
来年2025年は、レクサスが国内開業から20年という節目を迎える年。10周年記念車同様に、かなり力を入れた特別モデルを販売する可能性が高いだろう。ここでも黒が主役になるのではないだろうか。
黒とレクサスの調和はまだまだ進んでいきそうだ。レクサス独自の黒の使い方に、今後も注目していきたい。
【画像ギャラリー】黒に対するこだわり強すぎ! ブラック好きならレクサスの特別仕様車がいいんじゃない?(30枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方黒仕様は様々なメーカーがやってますが、まず黒自体の質感が非常に大事なのと、
ただ何でも黒で統一すればいいってわけじゃなく、黒と組み合わせる色・場所が大事なんですよね。そしてそれが凄く難しい