今の時代、素通りできないEVの戦い。中国勢は勿論のこと、韓国勢のEVもかなり洗練された出来になっている。今回は自動車オリンピック 世界BEV競技会と題して、世界の電気自動車をランキング付けしていこう。
※本稿は2024年7月のものです
文:松田秀士/写真:日産、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年8月26日号
■世界のEV勢力図がわかる戦い!
金メダルはアイオニック 5N。走りの素晴らしさに加えて乗り心地、静粛性も実用的で、ナビの地図データをはじめ使いやすさを念頭に日本向けに開発している。ドライバーに与える情報量が多く、楽しさと安全性を両立している。
銀メダルのBYD シールは高級セダン。優雅な世界観は心が洗われる。フロントガラスに歪みがなく写実な視界はインテリアの高級感もあってスクリーンを見ているかのよう。
銅メダルのベンツ EQSは超贅沢品。機能装備、質感、走行性能、安全機能がここまで奢られた電動SUVはほかにない。
VW ID.4のメインはRR(リアモーター・リア駆動)であること。このドライブフィールがFF系のEVとはまったく異なり、加減速は後輪、操舵は前輪と役割分担された自然なハンドリングが楽しい。
ボルボ EX30はパッケージングにこだわってコンパクトにした実用性と北欧ファッションの融合。EVとしてとても評価できる一台。
日産 アリアは室内静粛性が高くロングツアラーとしての機能性が高い電動SUV。特にプロパイロット2.0によるハンズオフの高速クルージングは特筆モノ。
●世界BEV競技会
・金メダル:ヒョンデ アイオニック5N
・銀メダル:BYD シール
・銅メダル:メルセデスベンツ EQS
・4位:フォルクスワーゲン ID.4
・5位:ボルボ EX30
・6位:日産 アリア
コメント
コメントの使い方半年くらい前の記事だが、走りを重視しているのはわかるけれど、実用性はどうなのかというところで、トランクは小さいしADSがスマホ並と言われている車種が銀だったりするし、そもそも本国では枯れた車種なのに日本ではそんなに評価が高いのでしょうか?あるいは国の補助金85万円を獲得したM3を外す理由もさだかではないし、ですが。
EVは自動車メーカーの技術力に対して、信頼性と整備性さえ考慮しなければ、容易に高性能を得ることが出来るのが特徴。
日本メーカーでもテスラ並みの性能とパッケージングを成立させることは出来るが、これまでのエンジン車と同等の信頼性と整備性を確保するとアリアのようになる。
問題は、そこまでして航続距離に神経を使うEVを買う価値があるのかということになると思う。
EVというのは、相対的な自動車メーカーの技術力に対して、エンジン車と比較した場合、スペックや走行性能を向上させやすい。
しかし、モーターや電装系をコンパクトにして、スーパーカー紛いの高性能にした場合、整備性と信頼性はトレードオフになる。
日産のEVがEVのメリットを生かしきれていないのは、良い意味で信頼性と整備性が高いからだとも言える。
他者にお勧めする以上、乗るその人の為の安全性は、絶対に外せません。
炎上事故含む不具合や危険性を考慮すれば、メルセデスは二段階落ち、ヒョンデ・BYD・ボルボEVは四~五段階落ち。
逆に一件も暴走や炎上を出していない日産は一段上げてもいいと思います。
欧米の自動車論評は驚くほど信頼性を評価に考慮しますが、考えてみると日本の自動車論評は信頼性や整備性を加味する習慣が無いですよね。
日産のEVが性能面でもスペース効率でも海外勢に劣るのは、整備性と信頼性を重視しているからですしね。