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FIM EWC 2026シーズン展望:全4戦の激闘と世界耐久の勢力図を徹底ガイド

配信元:WEBIKE
FIM EWC 2026シーズン展望:全4戦の激闘と世界耐久の勢力図を徹底ガイド

 FIM世界耐久選手権(EWC)の2026年シーズンがいよいよ始まる。EWCは、長時間にわたる過酷なレースで争われる耐久ロードレースであり、2026年シーズンも伝統あるコースで全4戦で構成される。舞台はヨーロッパと日本にまたがり、耐久レースならではの総合力が問われる戦いが繰り広げられる。

 なお、これまで年間チャンピオンはホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキといった日本メーカーのみが獲得しており、欧州メーカーはいまだ王座に手が届いていない。近年はBMWをはじめとした欧州勢の競争力も高まっており、勢力図の変化にも注目が集まる。

文/T.Yamaguchi

 
 
 

「FIM EWC 2026」各レースの特徴をおさらい

●第1戦ル・マン24時間(4月16日~19日)

 開幕戦は4月、フランス・ルマンのル・マン-ブガッティ・サーキットで行われるル・マン24時間レースだ。1周4.185kmのコースはストップ&ゴーのレイアウトを持ち、4輪レースのサルト・サーキットと一部を共有しながらも異なる特性を備えている。

 1978年の初開催以来、シリーズを象徴するレースとして位置づけられている。歴代勝利数ではスズキが15勝で最多、ホンダとカワサキが14勝で並び、ヤマハが5勝と続くが、欧州メーカーはいまだ優勝を果たしていない。BMWがその歴史を塗り替える存在となるかが注目される。

●第2戦スパ8時間(6月5日~6日)

 第2戦は6月、ベルギーの名門スパ・フランコルシャン・サーキットで開催される8時間レース。1周6.985km、全20コーナーからなる高速かつアップダウンの激しいレイアウトは攻略が難しく、特に最終セクターには6速全開区間が続くなど、ライダーにとってもマシンにとっても過酷なコースだ。

 4輪レースでは、スパ24時間レースやF1ベルギーグランプリなどで知られるが、EWCとしては2022年に復帰。当初は24時間レースとして開催されたものの、2024年からは8時間へと短縮され、“スプリント耐久”という性格を持つラウンドへと変化した。レース時間の短縮によりミスの挽回が難しくなり、より精密な戦略と安定したペースが求められる。

●第3戦鈴鹿8耐(7月3日~5日)

 第3戦は7月、日本の鈴鹿サーキットで開催される鈴鹿8時間耐久ロードレース。1周5.821km、全20コーナーのコースは4輪とほぼ同一レイアウトながら、二輪専用シケインと最終のシケインなど一部が異なり、さらに立体交差を持つ“8の字”構造によって右回りと左回りの両要素を併せ持つ世界でも稀有なサーキットとなっている。

 1978年から続く歴史ある大会であり、近年は猛暑対策として開催時期の見直しが進められ、2026年は例年より約1カ月早い7月初旬の開催となる。メーカー別勝利数ではホンダが31勝と圧倒的な実績を誇り、ヤマハ8勝、スズキ5勝、カワサキ2勝と続く。海外メーカーの優勝はまだないが、近年はBMWやドゥカティも上位争いに加わっており、勢力図に変化の兆しが見えている。

●第4戦ボルドール24時間(9月17日~20日)

 そして最終戦は9月、フランス南部のポール・リカール・サーキットで行われるボルドール24時間レース。1周5.673kmの比較的フラットなコースながら、約1.8kmに及ぶミストラル・ストレートを擁し、300km/hを超える走行が長時間続くことからエンジンへの負荷が非常に大きいのが特徴だ。

 2022年に100周年を迎えた歴史あるレースであり、2026年は第89回大会として開催される。開幕戦ル・マンに続くシーズン2度目の24時間レースとして、年間タイトル争いの決着をつける重要な一戦となる。勝利数はスズキ19勝、ホンダ17勝、カワサキ11勝、ヤマハ5勝と日本メーカーが強さを見せてきたが、BMWも過去に2勝を挙げており、近年の巻き返しに期待がかかる。

 
 
 

フル参戦のトップファクトリーチーム



#1 YART Yamaha Official EWC Team

●#1 YART Yamaha Official EWC Team

 2025年、2009年、2023年に続く3回目のチャンピオンを獲得したYARTヤマハ。2026年はゼッケン1をヤマハYZF-R1に掲げて参戦する。オーストリアを拠点に活動し、スピードと安定性を両立したレース運びが特徴。ヤマハのファクトリー体制を担う強豪チームだ。

 カレル・ハニカとマービン・フリッツは継続参戦。さらに、WorldSBKなどで活躍し、昨年はスパ8時間でSSTクラス優勝、鈴鹿8耐は日本のチームでSSTクラス2位となったレアンドロ・“タティ”・メルカドが加入。鉄壁のメンバーとなった。

 また、トップファクトリーチームの多くはブリヂストンタイヤを使用している。2023年から参戦しているElf Marc VDS Racing Team/KM99も、今季から同タイヤへ変更。テストから上位に入っている。



#1 YART Yamaha Official EWC Team

●#5 F.C.C. TSR Honda France

 ブリヂストンとタッグを組み、2016年からEWCに参戦。現在の日本チームの中で歴史のある存在だ。日仏のハイブリッド体制で戦い、テクニカルな戦略と高い信頼性で、タイトル争いの常連だ。

 ホンダCBR1000RR-Rを使用し、ピットワークの正確さにも定評がある。また、パーツ類の進化もたびたびチームから情報が出ており、TSRらしい開発力の高さを発揮している。

 監督は藤井正和氏。ライダーはアラン・テシェ、コランタン・ペロラーリが継続し、Moto3などの経験者ジョン・マクフィーが加入した。ここ数年はスタッフ陣含めて入れ替わりが多いが、古参メンバーと新規メンバーでのテストは好調だった。2022年以来のチャンピオンを目指す。



#5 F.C.C. TSR Honda France

●#11 Kawasaki Webike Trickstar

 日本の名門プライベートチーム、TrickstarとEWC王座獲得経験のあるSRCカワサキがタッグを組んだチームだ。独自の開発力と粘り強いレース戦略で、強豪ひしめくEWCで存在感を発揮している。

 2023年から同体制となり、途中からブリヂストンタイヤへ変更。今年はカワサキZX-10RRが新型となり、例年以上にトップ争いを演じることだろう。監督は鶴田竜二氏。ライダーは2年前と同様のロマン・ラモス、グレゴリー・ルブラン、クリスチャン・ガマリーノを擁し、第4ライダーにはエンゾー・デラベガも起用した。

 昨年はル・マンで表彰台を獲得しており、今年はさらなる進化が期待できそうだ。



#11 Kawasaki Webike Trickstar

●#12 Yoshimura SERT Motul

 EWC最強格の名門チームで、鈴鹿8耐は1回大会から参戦しているヨシムラSERT Motul。スズキ・エンデュランス・レーシング・チームとヨシムラジャパンの強力タッグにより、2021年から同体制となった。

 ライダーは、グレッグ・ブラック、エティエンヌ・マッソン、ダン・リンフット、第4ライダーの渥美心の4名で、鉄壁メンバーは変わらない。



渥美心(Junior Team le Mans Sud Suzuki)

 渥美はヨシムラチューンのスズキGSX-R1000R開発も務めており、24時間レースはJunior Team le Mans Sud Suzukiから出場する。鈴鹿8耐では渥美が同チームから参戦、マッソンはTeam SUZUKI CN Challengeから参戦することが決まっている。

 圧倒的な耐久性とミスの少ないレース運びで、まさに名門耐久チームの代表格。タイトル獲得数は歴代トップクラスで、常に優勝候補の筆頭に挙げられる存在だ。



#12 Yoshimura SERT Motul

●#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM

 ドイツのBMWは、ファクトリー体制で参戦するBMW Motorradが近年強さを見せている。チームはベルギーのMRP Racingが運営する。

 BMWの技術力を結集し、近年BMW M1000RRのマシン進化は急速な進化を遂げ、レースの競争力も高めている。パワフルなエンジンと電子制御技術を武器に、スプリント並みの速さを耐久で実現するのが特徴で、SSTクラスでもBMW勢が上位を占める。

 ライダーは、マーカス・ライターベルガー、スティーブン・オデンダールが継続。WorldSBKからマイケル・ファン・デル・マークが加入した。さらに第4ライダーにジェレミー・ガルノニが復帰、シルバン・ギュントーリは後述で紹介するが、AutoRace Ube Racing Teamに移籍した。

 昨年は最終戦の残り30分まで初のチャンピオン獲得の可能性があった。今後の王座争いのキープレイヤーとなる。



#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM

 
 

日本チーム&日本人ライダー

 EWCでは近年、日本チームおよび日本人ライダーの存在感が再び高まりつつある。トップ争いに食い込む体制から、将来を見据えた育成型チームまで、多様なプロジェクトが並ぶのが今季の特徴だ。

●#76 AutoRace Ube Racing Team

 2026年からEWCフル参戦を開始する注目株がAutoRace Ube Racing Teamだ。2025年にスズキからBMWへとスイッチし、体制を大きく刷新。昨年はBMWと契約しワークスエンジンの供給を受けたが、今季はBMWオフィシャルチームとして参戦し、最新仕様のBMW M1000RRが投入されるようだ。

 ライダーラインアップも強力だ。全日本ロードで結果を残す浦本修充に加え、MotoGP、WorldSBK、EWCと豊富な実績を持つ元王者シルバン・ギュントーリが加入。さらに、BMWの将来を担う存在として期待されるハネス・ソーマーも加わり、世代と経験が融合した布陣となった。

 すでにボルドール24時間への参戦実績もあり、ファクトリーチームに匹敵する戦闘力を備えつつある。フル参戦初年度から上位進出、そしてチャンピオン争いも視野に入る。



#76 AutoRace Ube Racing Team

●#25 Team Etoile

 独自路線で存在感を高めているのがTeam Etoile。10年計画の3年目を迎え、チームとしての基盤が固まりつつある。IT技術やAIを積極的に活用した戦略構築を特徴とし、近代的なチーム運営を実践。さらに若手育成にも力を入れており、今季はベテランの大久保光を軸に、鳥羽海渡、伊藤元治、豊島怜の若手中心へと刷新した。テストでは常にトップタイムを記録しており、ポールポジション獲得も十分に期待できる。

 拠点は日本の東京とフランスのル・マン近郊の2拠点体制。鈴鹿8耐では熟成を重ねた既存マシンを使用し、海外ラウンドでは最新仕様のBMW M1000RRを投入するなど、レースごとに最適化された戦略を採る。

 これまでポールポジション獲得や鈴鹿8耐での連続表彰台など実績も十分。まずはSSTクラス王座を狙い、将来的なEWCクラス参戦を見据える。



#25 Team Etoile

●#41 Dafy-Kaedear-RAC41-Honda

 日仏連携の新たなプロジェクトとして注目されるのがこのチームだ。2025年に石塚健が加入したRAC41をベースに、日本のバイク用品メーカーKaedearとタッグを結成。EWC全戦で日本とフランスの共同体制を敷く。

 海外3戦はフランスのRAC41が主体となり、鈴鹿8耐では日本側のKaedear Racing Teamがマシンと運営を担当するハイブリッド体制が特徴だ。すでにル・マンでは表彰台を獲得しており、戦闘力は証明済み。体制の成熟次第では、安定して上位争いに絡む可能性もある。

 また、プロモーション面でも積極的で、横浜市内では鈴鹿8耐をPRするラッピングバスを展開するなど、国内での認知拡大にも力を入れている。



#41 Dafy-Kaedear-RAC41-Honda



Dafy-Kaedear-RAC41-Hondaのラッピングバス

●#36 3ART Best Of Bike Hamaguchi

 3ART Best Of Bikeは、『ガチンコ!バリバリ伝説』に出演した元鈴鹿8耐ライダーの濱口喜博氏が率いるHAMAGUCHI Racing Teamとタッグを組み、3ART Best Of Bike Hamaguchiとして参戦。マシンには伊勢志摩海女萌えキャラクター『碧志摩メグ』がラッピングされている。

 HAMAGUCHI Racing Teamは、スポンサーとしてトップチームとの関係も持ち、かつてはYARTヤマハのマシンにロゴが掲出された実績もある。昨年は自チームとして鈴鹿8耐に復帰し、着実にステップを踏んでいる。ライダー陣もYARTヤマハに所属するロビン・ムルハウザーや、鈴鹿で実績を積むジャン・モアーらを起用する。



#36 3ART Best Of Bike Hamaguchi

●#27 TRT27 AZ moto

 若手日本人ライダーの挑戦として注目されるのがTRT27 AZ moto。綿貫舞空が参戦し、国際舞台で再び経験を積む重要なシーズンとなる。2024年には3ART BEST OF BIKEで参戦し、ル・マンではSSTクラス表彰台を獲得した綿貫。日本人ライダーの裾野拡大という意味でも重要な役割を担う。

 昨年は国内レースに戻ったが、EWCの舞台で再び躍動する。



2024EWCル・マン24時間:綿貫舞空

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/raceinfo/529179/

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