別記事で三菱とスバルのWRCの歴史をそれぞれ振り返ったが、ご覧になったみなさんはお気づきだろう。「おいベストカー、エボとインプはどうした?」 もちろんわかってます! ランエボとインプレッサはここでまとめて取り上げます!!
※本稿は2026年3月のものです
文:古賀敬介/写真:三菱、スバル、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年4月10日号
三菱WRCの進化

1990年代中盤から2000年代初頭にかけて、WRCでの究極のライバル関係が日本車のレベルを飛躍的に高めた。
改造範囲が大幅に制限されていたグループA時代は市販車の性能こそが何よりも重要で、三菱とスバルはそれぞれ異なる個性を最大限活かすことで世界の頂点を競ったのだった。
三菱ランサーエボリューション最大の強みは、名機4G63。当時のグループAは吸気リストリクターにより、回転数でパワーを得ることが難しく、ロングストロークから得られる4G63の豊富な中低速トルクは最大の武器となった。
ただし、4G63は鋳鉄製シリンダーブロックということもあって重く、クルマのバランス面ではフロントヘビーとなりアンダーステアが出やすかった。
そこで三菱は4WDシステムのデフを緻密に電子制御することでハンドリングを大幅に改善。「人工的に、しかし自然にクルマを曲げる」という、現在の三菱車にも受け継がれている駆動制御技術を磨き上げた。
さらに、エアロダイナミクスも徹底的に追求し、毎年のようにエボリューションモデルを送り込むことで、ベース車のパフォーマンスを高め続けた。
スバルWRCの進化

対するスバルはEJ20ターボのショートストロークに起因するトルク不足を、低重心な水平対向レイアウトでカバー。
ナチュラルなハンドリングは他車には真似のできないものであり、コリン・マクレーやリチャード・バーンズの芸術的なドリフトを支えた。
空力面の開発はランサーエボリューションと比べれば地味だったが、それでも市販車の改良を重ねることで高い戦闘力を保ち続けた。
やがて、改造範囲が大幅に拡げられたWRカーの時代になると、三菱とスバルの強みは目減り。エンジンのトルク不足を補う好機と見たスバルは迷うことなくWRカーに移行し、その後もタイトル争いに加わり続けた。
一方、三菱は市販車ベースにこだわり続けたことが裏目に出て、徐々に戦闘力を失っていった。
WRカーの時代、インプレッサは水平対向レイアウトによる縦置きギヤボックスが前後重量配分のネガとなり、ランサーエボリューションは重い4G63ターボと大柄なセダンボディがハンドリング面で弱点となってしまったのだ。
それでもWRCで培われた技術は、今なお2社の市販車の個性、強みとして受け継がれている。
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