日本板硝子株式会社
日本板硝子株式会社(本社:東京都港区、代表執行役社長兼CEO:森 重樹、以下「NSG」)の自動車用ガラスの新技術が、セラミックスの科学・技術に関し、製品の開発や工業化等に特に顕著な業績に対して贈られる、第76回日本セラミックス協会技術賞を受賞しました。表彰式は2022年6月9日に行われ、当社研究開発部の大家和晃らが、公益社団法人日本セラミックス協会の黒田一幸会長より賞状などの贈呈を受けました。
今回技術賞に選定された当社の「ADASカメラ用防曇機能付きガラス」は、カメラ前方のガラス部分の曇りを防止し、運転支援システムを正常に作動させる技術です。従来は、電力を使いヒーター等でガラスの曇りを防ぐのが一般的でしたが、環境負荷の低い自動車開発が進む中、消費電力の少ない防曇技術開発が求められてきました。又、始動時など、多様な状況下で時間を掛けずに曇りを発現させない商品も期待されました。
そうした状況を背景に当社は、(1)長年培ってきたゾル-ゲル法コーティング技術を応用した車両用防曇コーティング技術の開発、(2)高耐久・低コストなフィルム化技術の開発、(3)三次元曲面ガラスに高精度にフィルムを貼り付ける技術の開発により、これまで実用化の難しかった長期間にわたって防曇機能が維持できる高耐久・高性能な防曇機能付き車両用ガラスの量産化に成功しました。
現在、このガラスは複数の車両モデルに採用され、継続的に生産されています。今回の受賞は、当社の防曇技術がADASの安全性を高め、さらに自動車分野にとどまらず、ドローンや家電など今後の用途展開にも期待される技術であることが評価されたものです。
NSGグループは今後も高付加価値のガラス製品で、皆様に快適空間を提供できるよう、より一層の研究開発を推進してまいります。
以上
受賞内容
当社のADASカメラ用防曇機能付きガラス技術
[防曇コーティングの技術]
フロントガラスに防曇機能を有した特殊なゾル-ゲル膜をコーティングし、クリアな視界を確保。
[防曇コーティングをフィルム化する技術]
高耐久フィルム基材上に高精度の膜厚で防曇コーティングを行い、ガラスコーティングと同等の性能を実現。フィルム化により低コストで高耐久の防曇機能付きのガラスが製造可能。
[3Dガラス曲面へ高精度に防曇フィルムを貼付ける技術]
防曇フィルムを歪や気泡などの欠点が発生しないよう、オートメーションによる均一な押し付け圧力で、高い位置精度を保ちながら貼り付けられる為、様々な形状に対応可能。
NSGグループ(日本板硝子株式会社およびそのグループ会社)について
NSGグループは、建築および自動車用ガラスとクリエイティブ・テクノロジー分野で事業を展開する世界最大のガラスメーカーのひとつです。
建築用ガラス事業は、各種建築用ガラス、太陽電池パネル用ガラス等を製造・販売しています。
自動車用ガラス事業は、新車用(OE)ガラスや補修用(AGR)ガラスの分野で事業を展開しています。
クリエイティブ・テクノロジー事業の主要製品は、プリンターやスキャナーに用いられるレンズや、タイミングベルトの補強材であるグラスコードや ガラスフレークを中心とする特殊ガラス繊維です。
https://www.nsg.co.jp
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