「メグロS1」72万500円で11/20発売! ミドルサイズのメグロは「W」とどう違う?

「メグロS1」72万500円で11/20発売! ミドルサイズのメグロは「W」とどう違う?

 カワサキモータースジャパンは、昨年発表された新型レトロスポーツ「MEGURO S1(メグロ S1)」を、72万500円で11月20日(水)に発売する。モダンな兄弟機「W230」も同時発売だ。

 
文/Webikeプラス編集部
 

メグロシリーズ第2段は223ccのミドルクラス

 2023年のジャパンモビリティーショーで世界初公開されたメグロS1は、「メグロ」の名を冠する現行モデルとしては2車種目。Wシリーズとして登場した「W230」ともに223ccの空冷OHC単気筒エンジンを採用し、オーソドックスなネイキッドバイクのスタイルと、レトロな丸目ヘッドライトやロングシートを備えている。車体の基本設計もW230と同様だ。

 また外見は、「メグロ」シリーズとして、長兄の「メグロ K3」同様、かつて1960年代に活躍したメグロの名機のディテールをまとう。これまで800ccの大型モデルしかなかったメグロシリーズに、普通二輪免許区分で運転できるようになったことは、クラシックファンにとって朗報だ。

 

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メグロS1(2025)国内仕様を撮りおろし。W230にメグロブランドのカラーを取り入れた。

 

 

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モデルとなったのは1965年の「メグロSG」だ。

 

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車体サイズはW230と同様で、小ぶりなレトロスポーツとなる。

 

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ブラックとメッキの独特のカラーはW230と大きく印象を変えている。

 

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フロントビューはほとんどW230と変わらない。

 

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灯火類の仕様も、W230と同じだ。

 

 
 
 

W230との共通部が多い基本パーツ

 車体の基本設計はW230とほぼ同様で、主要な諸元も同じ。車体サイズは全長2125mm、シート高は740mmと小ぶりで、一般的な250ccクラスの域内におさまる。車体重量も143kgと、女性やビギナーも取り回しに困らない軽量さだ。燃料タンク容量は11L、ホイールサイズはフロント18インチ、リア17インチで、もちろんスポークホイール仕様となっている。

 エンジンは「KLX230」とベースを共有する223ccで、最高出力は13kW(18PS)/7000rpm、最大トルクは18Nm(1.8kgfm)/5800rpmと、パワー面は控えめなスペック。シフトは6段リターンで、KLXと異なり冷却用フィンが大型に見直されており、空冷エンジン特有の造形的な魅力も放つ。またエキゾーストはキャブトンタイプのロングサイレンサーを採用し、レトロで美しい存在感を放っている。

 メーターなど計器類はW230同様、2眼式のスピード、タコのアナログメーターだ。各種インジケーターはタコメーター内に収められており、シンプルなコクピットとなっている。また電子制御はブレーキのABSの他、特殊なものは装備していないため、ハンドルスイッチは左右共に非常にシンプル。最新機によくある、フルカラーTFT液晶モニタやマルチファンクションスイッチなどのパッケージに比べ、懐かしい往年のスタイルそのままだ。

 灯火はヘッドライトにLEDを採用しているが、ウィンカー、テールランプはバルブ式。ヘッドライトデザインは近年のカワサキ機で採用例の多い、前後に分かれた2段レンズだ。

 

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223ccの空冷単気筒エンジンは、フィンを大型化して存在感をアップ。シリンダーもブラックに塗装されている。

 

 

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W230同様のキャブトンタイプのマフラーは、レトロなシルエットによく似合う。

 

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フロントホイールは18インチ。スポーク仕様だ。

 

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リアホイールは17インチ。前後ともにディスクブレーキで制動力は最新水準だ。

 

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ヘッドライトは上下分割のLEDタイプを採用。

 

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メーターは懐かしい2眼式アナログで、シンプルな構成だ。

 

メグロらしさを生み出すメッキタンクとエンブレム

 メグロS1独特の仕様が車体カラーだ。ボディは黒を基調にクロームメッキが施されており、タンクには手作業で色付けされたエンブレムを備える。エンジンパーツも鉄部品を思わせる耐熱黒塗装が施されており、サイドカバーやメーターには赤い「メグロ」ロゴをあしらっている。タンクのグラフィックはモデルとなった「メグロジュニア」に合わせ、タンクパッドと伸びあがった独特のデザインが採用された。

 

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タンクは11L容量。デザインは「メグロSG」を踏襲したカラーとなっている。

 

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メグロ独特のタンクエンブレムが存在感を放つ。

 

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サイドカバー、メーターには赤色の「メグロ」ロゴが配される。

 

メグロ創業100周年を記念するメモリアルなシリーズへ

 メグロは1924年(大正13年)に創業されたメーカーで、戦前は大排気量車を得意とする国内トップブランドの一つとして有名だった。戦後は他メーカー同様、中排気量クラスもラインナップしており、1950年から登場した250ccクラスの「メグロジュニア」シリーズは高性能で人気を集めた。しかし、ホンダやヤマハといった主要国内メーカーが育つにつれ、やがて経営不振となり、1964年にカワサキにより吸収合併され、そのブランドは消滅した。

 しかし、その開発ノウハウはカワサキのバイク開発に引き継がれ、のちの名機「W1」が誕生。カワサキが二輪開発で世界と戦う力となった。そして2021年、カワサキはメグロブランドを、提携60周年の記念として復活。「W800」のバリエーションとして「メグロK3」を発売した。そして2024年、メグロ創業100周年を記念して登場した、新たなメグロが「メグロS1」なのだ。モデルとなったのは250ccの1965年の「メグロジュニアSG」で、実に59年ぶりとなる後継機といえる。

 

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メグロSGは250ccのスポーツモデルで1965年発売。生産は当時のカワサキで行われていた。

 

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戦前からの歴史あるブランドだったが、戦後は勃興するメーカー競争の中でカワサキに吸収されたメグロ。その血脈は今なお残る。

 

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伸びあがったブラックが特徴的なタンクデザイン。タンクパッドと共に、メグロS1で再現されていることがわかるだろう。

 

 

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メグロK3はカワサキとメグロ提携60周年を記念し、W800をベースとしたモデル。長らく「メグロ」はこれのみだった。

 

 メグロS1の価格は72万5000円と、W230(64万3500円)に比べれば約8万円も高価だ。しかし細部までぬかりのないディテールとスタイル、そして歴史的バックボーンを背負うブランドには、その価値があるといえるだろう。

メグロS1(2025)主要諸元

・全長×全幅×全高:2125×800×1090mm
・ホイールベース:1415mm
・シート高:745mm
・車両重量:143kg
・エンジン:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒232cc
・最高出力:13kW(18PS)/7000rpm
・最大トルク:18N・m(1.8kgm)/5800rpm
・燃料タンク容量:11L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=90/90-18、R=110/90-17
・価格:72万500円(税込価格)

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/417297/

【新車】「メグロS1」72万500円で11/20発売! ミドルサイズのメグロは「W」とどう違う?【画像ギャラリー】
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