1983年に登場した初代ジョグは、軽快な走りとスポーティなスタイルが大きな特徴。当時としてはパワフルな4.5psを発揮する49cc・2ストロークエンジンや、尖ったフロントカウルが前輪を覆う戦闘的スタイルなどが好評を博し、大ヒットを記録します。
その後、ジョグは、90cc・2ストロークエンジン搭載モデルなど、数々の派生モデルも誕生し、ヤマハ製スクーターの基軸となります。
2007年には、排気ガス規制などの影響もあり、4ストロークエンジン搭載車に変更。2018年に登場した現行の50ccモデルでは、ホンダの「タクト」をベースに、ヤマハのデザインを投入したOEMモデルとなって、今もラインアップされています。
現行のジョグでは、最高出力4.5psを発揮する49cc・水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載。登坂路でもグングンとストレスなく登れるパワフルな特性を持つと共に、燃費や環境にも配慮していることが特徴です。
ライナップには、スタンダード仕様のジョグと、アイドリングストップ・システムなどを備える上級モデルのジョグ デラックスを設定。価格(税込み)は18万1500円〜19万4700円です。
一方、124cc・空冷単気筒エンジンを搭載する原付二種スクーター「ジョグ125(JOG125)」は、2022年11月に登場しました。
大きな特徴は、独自の「ブルーコア(BLUE CORE)」エンジンをジョグ・シリーズに初採用し、ヤマハ原付二種スクーター最高レベルの低燃費とスムーズな加速を両立していること。
高効率燃焼、ロス低減、高い冷却性の3点を照準に開発されたこのエンジンは、パワーと燃費の両立を図るため燃焼室をコンパクトに設計。高効率燃焼のポイントとなる圧縮比を10.2:1とし、混合気のタンブル(縦渦)を効果的に生成させ、FIセッティングとの相乗効果で高出力と燃費性を兼ね備えています。
また、始動時はスターターモーターとして機能し、走行時はジェネレーターとして働く「SMG(スマート・モーター・ジェネレーター)」も採用。従来のスターターモーターと減速ギアが不要となり、軽量・コンパクト化と静かなエンジン始動を実現します。
それらの相乗効果により、ジョグ125は、最高出力6.1kW(8.3PS)/7000rpm・最大トルク9.8N・m(1.00kgf・m)/5000rpmを発揮する一方、WMTCモード値で51.9km/Lという燃費性能も両立しています。
なお、価格(税込み)は26万7300円で、かなりリーズナブルな設定となっている点も魅力です。
ちなみに、50cc版のジョグやジョグデラックスについては、まだ正式なアナウンスこそありませんが、近々ラインアップから消滅してしまう可能性もあります。
これは、2025年(令和7年)11月から施行される予定の新しい排気ガス規制が関連しています。この規制が導入されると、現行で50cc以下とされている原付バイクは、新規制値に対応させることが技術や費用面で難しいことで、多くのモデルが販売できなくなる可能性が高いからです。
ちなみに、警察庁では、こうした動向に対し、最高出力を4.0kw(5.4PS)以下に制御した125ccや110ccのバイクを「新基準原付」とし、現在の原付一種バイクと同じ扱いにする方針です。なお、新制度は2025年4月1日から導入される予定だといいます。
こうした動きにより、前述の通り、現在の50cc版のジョグやジョグデラックスは消滅する可能性があるのです。
また、その場合、代わりに、125cc版のジョグ125をベースに、4.0kw(5.4PS)以下の馬力制限を受けた新基準原付バージョンが出てくることも考えられます。
そうなると、最高出力6.1kW(8.3PS)という馬力そのままの原付二種バージョンと、縁気を抑えた原付一種バージョンの2タイプが設定されることも考えられます。
いずれにしろ、長年続いている人気スクーターだけに、今後の動向が気になるところです。
ホンダ・ディオ110
スタイリッシュな外観と扱いやすい特性が人気の原付二種スクーターが、ホンダの「ディオ110(Dio110)」です。
ディオといえば、昔からのバイク好きならご存じの通り、元祖は1988年に登場した原付一種の50ccモデル「ディオ(Dio)」。排気量49ccの空冷2スト単気筒エンジンを搭載し、スポーティなスタイルと実用性が高いシート下のメットイン・スペースなどにより、当時の若者を中心に大ヒットを記録したバイクです。
現在、50cc版はラインアップから外れていますが、1990年登場のスーパーディオ(2代目)や1994年発売のライブ・ディオ(3代目)など、さまざまな名車を排出。ヤマハのジョグと共に、1980年代後半から1990年代の原付スポーツスクーター・ブームをけん引し、ホンダを代表するバイクブランドだったといえます。
そんな名車のネーミングを受け継ぐのが、原付二種モデルのディオ110です。現行モデルの3代目は2021年に登場。ダイナミックなボディーラインでアクティブさを表現したスタイリングを採用したほか、マフラーカバーやフロアステップなどに幾何学模様を施すことで、上質感なども演出します。
エンジンには、軽快な走りと燃費性能を両立した排気量109ccの空冷4ストローク単気筒「eSP」を搭載。最高出力6.4kW(8.7ps)を発揮するこのエンジンは、圧縮比を高めたコンパクトな燃焼室の採用で、燃焼効率と低中速域の出力を向上し、軽快な走りを実現します。
また、高剛性と軽量化を追求した独自の「eSAF」フレームや、前後14インチの大径ホイールの採用などによる、安定性と快適性を両立した走りも魅力です。
ほかにも、低燃費走行をサポートするECOインジケーターを装備する多機能メーター、容量約18Lのシート下収納スペースなど、通勤・通学や普段の買い物など、さまざまなシーンで使い勝手がよく、実用性の高い装備を誇ります。
ラインアップには、「Honda SMART Keyシステム」を採用したディオ110を設定。このシステムは、スマートキーをポケットやカバンなどに携帯していれば、キーを取り出さなくてもエンジン始動などができる機能で、高い利便性を誇ります。
また、Honda SMART Keyシステム未設定で、リーズナブルな価格を実現したディオ110・ベーシックも用意し、幅広いニーズに対応。
価格(税込み)は、ディオ110・ベーシックが21万7800円、ディオ110が25万3000円です。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/424622/
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