2023年7月、多くの反対意見を押し切ってゴリ押し解禁となった電動キックボードの公道走行。多くの無法運転に苦情が殺到したのか、警察も重い腰をあげて取り締まりを強化すると、ひどい違反は減ったようだが、国沢氏にはまだ気になることがあるという!!
※本稿は2024年10月のものです
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年11月10日号
■やればできるじゃん警察! でもまだまだ甘い取り締まり
2023年7月に登録すれば公道を走れるようになった電動キックボードは、当初から粗暴な運転が目立った。一方通行逆走や信号無視、一時停止違反など当たり前。飲酒運転や2人乗りさえ普通というデタラメぶり。
なのに警察は見逃していた。解禁半年後の違反取り締まり件数は7130件だけ。なかでも野放しだったのが大阪府警で、6500件取り締まった警視庁に対しわずか350件だった。
もはや警察公認のデタラメ走行といっていいほど。当然ながら多くの善良な市民から「危ない!」とか「何とかしろ」みたいな声が出た。
すると2024年6月末まで1年目の取り締まり件数は2万5156件になったという。後半の半年だけで見たら1万8000件ほど。警察もやっとその気になってくれたということか? 確かに都内を走っていると、ひどい運転の電動キックボードは減った感じ。
とはいえ評価できるかといえば「まだまだ」である。どうしようもない状況から、ひどい状況になった程度。
依然として目立つのは、歩道の走行と信号&一時停止無視だ。電動キックボード、歩道も走れるのだけれど、その場合は6km/h制限になる。同時に6km/hリミッターが稼働していることを表す青色の点滅灯を使用しなければならない。点いてなければ明確な違反。
これを取り締まらない警官が多い。子どもや高齢者など歩行者にとって危険な存在だということを考えると厳密にやってほしいと思う。
クルマからすれば自殺行為に思える一時停止&信号での飛び出しも怖い。ここはもうドラレコの動画さえあれば、事故過失割合を100対0ということにしてほしい(怪我した時は自賠責のみ出ます)。そうすれば飛び出す輩だって考えることだろう。
ここにきて電動キックボードより危険な存在になってきたのが電動モペット。東京都内だとウーバーに代表される個人配送業の足になっている。
こちらは登録もされていないため自転車と同じ存在。電動キックボードと違い反則切符切ってオシマイとならず、警察からすれば面倒くさいんだと思う。ただ最高速は40km/h以上出るうえ、自賠責への加入義務があるのに基本的に無保険。
ブツけられて大けがしても「お金ない」と言われたら泣き寝入りだ。裁判起こしたって取れない。クルマをキズ付けられたって同じ。お金持っていない人はリスクなしだから無敵だったりする。
そういった人から市民を守るのが警察の役目だ。1カ月くらい集中的に電動モペットの取り締まりを行い、片っ端から無免許運転と無保険車で検挙すれば、すぐ居なくなるだろう。
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