カプラー外しと結束バンド切断に特化!! ニッパーやプライヤーは何本あってもイイ

フラット刃≠片刃?? 結束バンドの切断部が手に優しいデリケートなニッパー

 

アストロプロダクツのフラットヘッドニッパーには全長125、150、190mm(呼びサイズ)の3タイプがある(画像は150mm)。裏側から裏刃を見ると、ラウンド刃のような丸みがなく、外縁から刃面まで直線的に成型されている。

 

 

ラウンド刃とフラット刃は表刃の形状がまったく異なる。丸みがなく刃厚が薄いため切断面のバリも小さくなるが、薄い刃は強度面で不利になるため、硬い素材は切断できない。

 

ニッパーは配線や針金など、線材を切断するための工具です。バイクいじりでも電気メンテナンスを筆頭に出番が多く、工具セットに必ず入っている工具のひとつです。
そんなニッパーの用途のひとつが結束バンドの切断です。電気の配線やケーブル、ホース類をまとめるのに便利な結束バンドにはナイロン製やポリプロピレン製などがあり、四角いヘッド部分に先端を差し込み引っ張ることでロックが効き、抜けなくなります。ヘッドに通した先端はそのままでは収まりが悪いのでニッパーで切断するのが一般的です。

ハンドルスイッチ近辺にUSB電源を取り付ける際、ヘッドライトケース内やヒューズボックスまで引いた配線を結束バンドでまとめて余分をニッパーで切断した時に残った切断面が鋭利だと、手や腕に切り傷を負う原因になることもあります。
そのような作業に適しているのが、フラットヘッドニッパーです。このニッパーは通常の製品に比べて刃の厚みが少なく、ニッパー上面の表刃が平ら=フラットなのが特徴です。この形状によって切断部分の刃の残り、つまり手を傷つける恐れがある鋭い突起が小さく切断できるメリットがあります。

実際、フラット刃のニッパーを結束バンドの四角いヘッドの外側に当ててバンドを切断すると、ヘッドからの飛び出しは皆無で素手でもまったく痛くなく、安心して触れることができます。
このフラット刃のニッパーは、模型工作の世界ではとても一般的な存在として知られています。ランナーから部品を切り出す製に部品側に残るバリを少なくでき、ヤスリなどによる整形の手間を削減できるのが特賞です。
フラット刃は片刃と混同されることもありますが、前者は開口部が開いた両側に刃があるのに対して、後者は刃があるのは開口部の一方だけで対向側は平らに仕上げられておいり、両者は構造からしてまったく異なります。

 全てのニッパーがフラット刃なら切断面のバリが少なくなって良さそうなものですが、実際にはニッパーの刃は丸みを帯びたラウンド刃の方が一般的です。その理由はフラット刃よりもラウンド刃の方が厚みがあり強度も高いため、硬い素材を切断しても刃こぼれしづらい利点があるからです。裏を返せば、フラット刃のニッパーで硬い針金を切ろうとすれば、ニッパー自体を傷めるリスクがあるということです。

結束バンド切断はフラットヘッドニッパー。適材適所で最適の結果が得られる

 

結束バンドをカットする際は、ニッパーの表刃をバンドの四角いヘッドにぴったり当てて切断する。ラウンド刃に比べて先端が薄くシャープなので、狭い場所でも扱いやすい。

 

 

四角いヘッド面とバンドの切断部分がツライチで、素手で触れてもまったく引っ掛からない。これならメンテナンス作業中に接触しても怪我をする恐れはない。

 

 工具を使用する際に強度を考慮して使い分けるのは面倒だと思うかもしれません。しかしボルトやナットを締める際、多くのギヤラチェットレンチは本締めを推奨していません。またソケットレンチも過大なトルクによってラチェット機構が破損する恐れがあり、そのような場面ではメガネレンチを使用するのが正式な工具選びとなります。

何かを切断する際も同様で、硬い素材を切りたい時は刃の厚いラウンド刃のニッパーを洗濯すべきです。逆に、ナイロンやポリプロピレンといった柔らかい樹脂素材であれば、刃が薄く切断面にバリの残りが少ないフラット刃のニッパーを使用できます。
フラットヘッドニッパーの刃面を観察すると、表刃は平らで裏刃だけで切断しているかのように見えますが、実際は両面に角度があり山の頂点部分で切断しています。ラウンド刃とフラット刃ではその山の角度や刃の厚さが異なるため、フラット刃による切断面はバリが少なくなるのです。

 ただし、フラットヘッドニッパーならどんなときも切断面にバリができないわけではありません。結束バンドの切断面を滑らかにしたいなら、結束バンドの四角いヘッドに表刃を密着させて切断することが重要です。その点では使用条件を整えてやる必要もありますが、正しく使えば(工具の特徴を引き出せれば)切断部分を手のひらで擦ってもミミズ腫れができることはありません。これはラウンド刃のニッパーでは決して真似できない仕上がりです。

先に紹介したカプラープライヤーと同様、フラットヘッドニッパーも柔らかい素材専用の工具で、汎用性の高さではラウンド刃のニッパーにかないません。また作業内容によって2丁のニッパーを使い分けることに煩雑さを感じるかもしれません。
しかし結束バンドの切断部分で切り傷や擦り傷を負った経験があるなら、端部が飛び出すことのない仕上がりのありがたさが理解できることでしょう。

POINT
 

 

  • ポイント1・先端部分が90度に曲げられたカプラープライヤーは、カプラーの抜け止め用ロックの爪を外すためだけの工具で、電気系メンテナンスで重宝する
  • ポイント2・ニッパーの刃はラウンド刃とフラット刃に分類でき、前者は硬い素材を切断できる強度があり後者は切断面のバリを小さくできる
  • ポイント3・フラット刃は刃の厚みが薄いため結束バンドや樹脂など柔らかい素材を切断する作業に適している

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/maintenance/426315/

カプラー外しと結束バンド切断に特化!! ニッパーやプライヤーは何本あってもイイ【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=426315&slide=1

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