実は日産もバイクを発売していた! ホンダとの経営統合でバイクに影響はある!?

実は日産もバイクを発売していた! ホンダとの経営統合でバイクに影響はある!?

 日本を代表する2大ブランド、ホンダと日産が経営統合を検討しているという。統合が実現すれば、四輪販売台数700万台を超える世界3位の巨大グループが誕生する。気になるのはバイクへの影響だが、実は日産は過去にバイクを販売しており、欧州では電動バイクを扱っていた実績もあるのだ。

 
文/Webikeプラス編集部
 

3月から協業の検討を始め、ついに経営統合も視野に入れて協議へ

 驚きのニュースが報じられたのは12月18日。ホンダと日産自動車が持ち株会社の設立に向けて協議しており、それぞれの会社を傘下に収める形で経営統合する可能性もあるという。さらに、日産が筆頭株主になっている三菱自動車の合流も検討されている。

 過去1年間の販売台数ではホンダが398万台で世界7位、日産が337万台で世界8位。2社の統合が実現すれば合計735万台となり、世界3位の巨大グループが誕生する。さらに78万台を販売する三菱も加われば、合計813万台のグループが誕生。923万台を販売する世界2位のVWグループに迫ることとなる。

 今回の発表には布石があり、ホンダと日産は2024年3月から協業に向けた検討を開始。8月には車載OSなどのソフトウエア開発やEV(電動自動車)の部品共通化を進めることで合意していた。

 経営統合を進める背景には、EVや自動運転、ソフトウエア開発などの競争が激しくなり、アメリカのテスラや中国のBYDら新興メーカーの台頭がある。ホンダと日産は、開発費の分担や技術供与によって、競争に勝ち抜くことが狙いと考えられる。

 特に日産は経営が悪化しており、2024年4~9月期の連携営業利益は前年同期比で9割減。全体の1割弱にあたる9000人規模のリストラも発表しており、ホンダとの関係を深めたい考えだろう。

なお、両社の規模や業績は以下のとおりだ。
○ホンダ

 従業員数=19万4993人
 連結売上収益=20兆4288億円(2024年3月期)
 純利益=1兆1071億円(同上)
○日産

 従業員数=13万3580人
 連結売上収益=12兆6857億円(2024年3月期)
 純利益=4266億円(同上)

2024年8月、共同研究契約を締結した際のショット。写真右が本田技研工業 代表執行役社長 三部敏宏氏、左が日産自動車 最高経営責任者 内田誠氏。

 

 
 
 

電動バイクへの好影響はありそうだが、大きな変化はないと予測

 当webとして気になるのは、やはりバイクへの影響だ。現時点では詳細が発表されていないため全く不明ながら、特に電動バイク関連への影響はありそう。

 クルマの分野で日産のEV開発はホンダの先を行っており、ホンダが技術供与を受ける可能性が高い。ホンダの電動バイクに使用されているモーターは基本的に独自開発の自社製。着脱式バッテリーの「ホンダモバイルパワーパックe:」も自社開発だ。これらに日産の技術が活かされ、さらなる高性能化が図られる可能性はある。

 しかしながらホンダのバイク事業に大きな変化はないと予想される。実はホンダの事業を支えているのは二輪事業。2023年度の決算資料によると二輪事業の営業利益は5562億円。これに対し、四輪事業の営業利益は5606億円。全営業利益1兆3819億円のうち、ほぼ半分を二輪が稼ぎ出している。

 最新の2024年4~9月期に限って言えば、営業利益は逆転し、二輪3258億円、四輪2580億円となっている。さらに、高いほど収益性が高い“営業利益率”を比べてみると一目瞭然。2023年度の四輪事業は4.1%なのに対し、二輪事業は17.3%と圧倒的だ。

 これほどの高業績を挙げている二輪事業に日産が口を挟む余地はなく、大きな変化が起きるとは考えにくい……というのが世間一般の見解だろう。それどころか経営統合が実現した場合、ホンダの好調な二輪事業の稼ぎを、経営不振の日産が相殺してしまう可能性も。こうした懸念から、現に日産の株価は一時ストップ高、ホンダは年初来安値を記録してしまった。

日産は欧州でバイクを販売中、かつては独自のバイクも生産していた!

 とはいえ、実のところ日産はバイクに興味を示しているメーカーだ。欧州でスペインの大手EVメーカー「サイレンス」と提携し、2024年6月から電動バイクと小型四輪EVを販売。6月からフランスとイタリア、9月からドイツ、10月から英国で発売を開始していた。

 サイレンスの電動バイク「S01 Plus」は、7.5kW の電動モーターと、シート下に着脱式バッテリーを備え、0-50km/h加速はわずか2.8秒。300ccのガソリンエンジン二輪車と同等の動力性能を持つ高性能コミューターだ。

 

日産は欧州でサイレンス製の電動バイク「S01 Plus」と小型四輪EV「ナノS04」を販売中。

 

 

S01 Plusは航続距離133km、最高速100km/hをマークし、実用性十分。バッテリーはキャリーケースのように運搬可能だ。

 

 さらにあまり知られていないが、日産は「ニッサンバイクモーター」というブランドから二輪車を発売していた過去を持つ。

 1953年当時、トヨタがクルマとバイクを販売しており、好評を博していた。そこでライバルの日産もブランドを立ち上げ、自転車にエンジンを搭載した通称「バタバタ」を販売。2.3PSを発生する2ストローク60cc単気筒は2段手動グリップ変速機付きという先進的なエンジンだった。

 しかし、ダットサンなどの四輪が好調だったため、1年程度で生産を終了してしまった。

 

ニッサンバイクモーター601は、ホンダC型(写真)の車体に独自の2ストエンジンを搭載していた。ホンダの車体を使った経緯は不明ながら不思議な縁を感じる!?

 

 ちなみに日産は2009年の東京モーターショーにバイク感覚で走れるEVコンセプトモデルを出品。この「ランドグライダー」は、バイクのような細身ボディに前後二人が乗車でき、車体のバンクもできる。

 

「ランドグライダー」は2人乗りの都市型EV。全長3100×全幅1100×全高1415mmのスリムボディで、バイク感覚で走れる。

 

日産ブランドのバイクが登場する可能性はゼロじゃない

 確定した話は現時点で何もないため、推測の域は出ないが、ホンダ、ニッサンのブランド名は残ると予想される。そして欧州での事例のとおり、日産ディーラーでホンダの電動バイクを販売する可能性はあるかもしれない。さらに妄想を一歩進めれば、ホンダからOEM供給を受けて日産ブランドのバイクが登場する可能性も全くのゼロではないかもしれない。今後も動向を見守っていきたい。

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/bikenews/430893/

実は日産もバイクを発売していた! ホンダとの経営統合でバイクに影響はある!?【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=430893&slide=1

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