アップマフラーやワイドタイヤが、250ccクラスを超える存在感を生んだ「ホーネット」

250ccクラスを超えた装備がホーネットの魅力となった

 ホーネットはフルサイズのタンクにシャープに切り上げられたテール周りが組み合わされ、右リアカウル下面に配置されたアップタイプのマフラーが装着されている。そして、フロントには130/70-16、リアに180/55-17というリッタークラスサイズのタイヤを採用することで、ライバルたちには無い迫力のあるスタイルを生み出している。ボリューム感のあるデザインだが、サイドカバーをスリムな形状とし、フレーム形状によるシート形状の自由度の高さとあいまって760mmというシート高の低さを実現して足着き性は良好だ。また、グラブバーや荷かけフックなどの快適装備も充実しており、シート下には3.1Lのユーティリティスペースも設けられている。



シート高は760mmと低めに設定されており、身長171cmのライダーが跨ると両足がかかとまでしっかり着く。



ライディングポジションは軽く前傾する感じになり、ステップ位置もほぼ体の真下になるネイキッドらしいもの。



シンプルな丸型ヘッドライトと砲弾型メーターを組み合わせ、フューエルタンクはニーグリップ部下大きくえぐられたデザイン。



メーターはホワイトパネルを採用した同径の丸型で、タコメーターは18000rpmまで刻まれている。



左スイッチボックスにはヘッドライの切り替え、ウインカー、ホーン、パッシングの各スイッチと、チョークレバーが取り付けられる。



右のいスイッチボックスはスロットルホルダーと一体型で、スタータースイッチとキルスイッチが取り付けられている。



右のシートカウル下にはカチ上げられたサイレンサーが鎮座する。そのシートカウルの上にはグラブバーが取り付けられている。

 ホーネットに搭載されたエンジンはMC14E型であり、CBR250Fourに最初に搭載されたカムギアトレインを採用した水冷DOHC4バルブエンジンだ。このMC14E型はエンジンはMC22型CBR250RRに搭載された際には45PS/15000rpmの最高出力を発生していたが、ホーネットには40PS/13000rpmという仕様で搭載されている。若干低速向けにチューニングはされているものの、高回転までしっかりと吹け上がるエンジンは非常にスポーティだ。



パワーユニットはCBR250系に搭載されてきたMC14E型で、最高出力40PS/13000rpm、最大トルク2.4kgm/11000rpmにチューニングされている



MC14型のCBR250Fourは、目の字断面のアルミツインチューブフレームに、最高出力45PS/14500rpmのMC14E型エンジンを搭載した。



レーサーレプリカのMC22型のCBR250RRは1990年に登場。最高出力45PS/15000rpmのMC14E型エンジンを搭載した。

 フレームは軽量でコンパクトなエンジンを無理なく搭載でき、より幅広い走行状況で素直な乗り味が得られる新開発のモノバックボーンフレームを採用し、しなやかさを活かしながらも剛性感のある操縦フィーリングを実現している。フロントフォークは250ccくらいとしては太いインナーチューブ径41mmの正立タイプで、リアはモノショック+極太のアルミスイングアームが組み合わされ、先にも触れた極太サイズのタイヤを支えている。また、ブレーキはフロントに296mm径のフローティングディスク+4ポットキャリパー、リアは220mmのソリッドディスク+1ポットキャリパーが与えられている。



コンパクトなエンジンを搭載するフレームはモノバックボーンタイプで、外からはその存在がほぼ確認できない。



インナーチューブ径41mmのフロントフォークに、16インチの130mm幅タイヤを履く。また、ブレーキには4ポットキャリパーを採用。



リアタイヤは180mmと250ccクラスとしては極太なものを履く。リアブレーキはシングルポットキャリパーだ。



スイングアームはアルミ製で、タイヤに負けない太さを持つ。足回りの構成パーツがクラス超えサイズなのも、ホーネットの特徴と言えるだろう。

 過激なデザインにレーサーレプリカ譲りのエンジン+クラス越えの足回り、そして使い勝手の良さも備えた超優等生と言えるホーネットはヒットモデルとなり、マイナーチェンジを重ねつつ2007年モデルまで10年以上生産が続けられた。また、ほぼ同じデザインの600と900もラインナップされ、ヨーロッパにおいてはストリートファイターへと進化していった。また、現在はストリートファイターとなった750と1000のホーネットが日本国内でも販売されており、この250ccモデルから始まった「ホーネット」の名を持つバイクは今も走り続けている。

 
 

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