もちろん、かつての愛車、超パワフルな2代目ハヤブサの加速感は、かなりエキサイティングでした。先日、3代目の現行ハヤブサにも試乗する機会があったのですが、圧倒的な動力性能は変わらずで、感動的でさえありました。
でも、日本の公道では、200PS近いパワーを使い切れる場所はあまりないのも事実。それに、たとえば、高速道路での合流や追い越しなどでも、95PSのCBR650Rでも加速は十分に得られます。また、山道などの長い登り坂などでも、必要十分の登坂能力を持っているといえるでしょう。
もちろん、トルクフルなハヤブサなど大排気量バイクの方が、ロングツーリング時に高速道路を巡航するときなどは楽ではあります。あまりギアチェンジをせずに、6速トップをキープ、もしくは1段落として5速で走れることも多かったですし、回転数もあまり上がらないため、振動も少なく疲れにくいといったメリットもありました。追い越しなどの加速時に、4速まで落とす場合もあるCBR650Rと比べると、高速巡航などで快適だったのは間違いありません。
ただし、例えば、ワインディングやサーキットなどでスポーツライディングをする際には、軽い車体のCBR650Rの方が楽しく乗れます。もちろん、ハヤブサであれば、サーキットの直線では200km/h以上を軽く出せます。でも、筆者には、あまりに速度が出過ぎてしまい、コーナー進入での減速時は「ちゃんと止まれるのか」とハラハラしてしまうことが多かったのも事実です。
特に、ハヤブサは、車体が重いこともあり、ブレーキをコーナーのかなり手前でかけていました。それに比べると、より軽いCBR650Rの場合、ブレーキングポイントもかなり奧に取れるようになりましたし、コーナーを曲がる時の軽快感も全然違います。
ちなみに、筆者は、ヤマハの1000ccスーパースポーツ「YZF-R1M」に、袖ヶ浦フォレストレースウェイ(千葉県)という、タイトコーナーも多い1周2436mのサーキットで試乗したことがあります。
ヤマハMotoGPワークスマシン「YZR-M1」のテクノロジーが投入された憬れの1台。しかも、車両重量は試乗した上級モデルR1Mの場合で203kg(スタンダードは201kg)と、筆者が乗る初期型CBR650Rの207kg(現行モデルは209〜211kg)より軽くできています。でも、正直にいえば、最高出力200PSのパワーと軽い車体などが生む動力性能は、筆者にとって異次元。あまりの速さに目が追いつきませんでした。コーナー出口の加速が鋭すぎて、あっという間に次のコーナーが迫り、そこをクリアするとまたすぐに次のコーナー……。その連続に、目や体が徐々に対応できなくなった記憶があります。
余談ですが、同年齢のバイク店社長で、若い頃にレース経験もある知人も、同様に「1000ccスーパースポーツでサーキットを走ると目が追いつかない」といっていました。筆者も知人も、16歳で免許を取り、ずっとバイクに乗り続けているし、ましてや知人は元レーサー。サーキット経験豊富なライダーでも、年齢には勝てないということのようですね。
100万円台の価格はお財布に優しい
筆者にとって、愛車のCBR650Rはもちろん、600cc〜900ccのバイクは価格面でも比較的お財布に優しく、経済的にちょうどいいバイクだと考えています。
たとえば、現行モデルの3代目ハヤブサは、価格(税込み)223万3000円。また、1000ccを超えるスーパースポーツや高級ツアラーなどには、240万円台〜300万円台のモデルもあります。
一方、600ccクラスのバイクであれば、100万円を少し超える程度で買えるモデルも多いですよね。たとえば、筆者が乗る2020年式CBR650R(グランプリレッド)の車両価格は、税込みで108万9000円でした。現行モデルでも、E-クラッチなしのスタンダード仕様で110万円、E-クラッチ仕様車が115万5000円〜118万8000円です。
ほかにも、600ccクラスでは、100万円台〜120万円台といった価格帯のバイクも多く販売されています。もちろん、より排気量の大きい900ccクラスになると、例えば、ヤマハのXSR900GPで税込み143万円、根強い人気を誇るカワサキのZ900RSシリーズでは、148万5000円〜170万5000円と高くなりますが、いずれにしろ、200万円以下で購入可能です。
もちろん、たとえば250ccなど、より排気量が小さいクラスの方が価格は安いのも確か。スクーターなどモデルによっては30万円台〜40万円台の機種もありますからね。スポーツモデルになると50万円台〜90万円台とやや高いですが、車検がないから維持費は安くなるのも魅力です。
でも、やはりミドルクラスのバイクの方が、走りなどに余裕があります。好みやスキル、体格や収入などには個人差があり、一概にはいえないため、あくまで私見ですが、予算と走りのバランスが「ちょうどいい」クラスのひとつが、600cc〜900ccのモデル群ではないかと思います。
大型バイク初心者に最適な理由
以上、筆者の体験も含め、ベテランライダーなどにとって、600cc〜900ccミドルクラスのバイクがいかに最適かを紹介しました。
また、これもあくまで私見ですが、ここで紹介したメリットは、大型バイクを取得したばかりの若い初心者ライダーなどにも、当てはまることが多いのではないかと思います。
まず、1000ccオーバーの大型モデルと比べ、車体がコンパクトで軽い点。若いライダーであれば、筆者よりも体力はあるでしょう。でも、これも個人差はあるでしょうが、大柄なバイクの扱いに慣れていないと、例えば、細い路地などでの低速Uターンや、狭い駐車場での取り回しは大変です。
特に、筆者のように身長160cm台の小柄なライダーや、重いモノを押したり引いたりするのが苦手な女性ライダーには、重いバイクはハードルが高いもの。そうしたライダーにとっては、まずはより軽いミドルクラスのバイクで慣れてから、1000cc超のバイクにステップアップした方がいいかもしれません。
また、パワー面も同様。250ccや400ccなどのバイクでは、たとえば、フルカウルモデルのホンダ・CBR250RRで最高出力42PS。普通二輪免許で乗ることができる最大排気量を持つ同じホンダのCBR400Rでも、最高出力は46PSです。
そんなバイクに乗っていた人が、大型二輪免許を取ったからといって、いきなり200PSを超す1000ccスーパースポーツなどを上手く操るには、かなり慣れが必要になるといえます。まずは、100PS以下、よりハイパワーでも120PS程度までの600cc〜900ccクラスに乗って、慣れるほうが安全ではないかと思います。
そして、価格面。もちろん、予算さえあれば、どんなに高いバイクでも買えます。でも、特に、学生や社会人になりたてなどの若い世代は、200万円を超える価格だと、なかなか手が出しにくい人も多いでしょう。
また、ベテランライダーでも、子育て費用や住宅ローンなどで、あまり大きな出費ができない人もいるはずです。そうしたライダーたちにとっても、600cc〜900ccのバイクは、比較的に手が出しやすい価格帯ではないかと思います。
近年、各メーカーが600cc〜900ccクラスのラインアップ強化を図っている背景には、ここで挙げたように、大型バイクの初心者からベテランまで、幅広いライダーに最適なことも理由のひとつなのかもしれません。
バイク選びは自分の体格やスキルも考慮したい
いずれにしろ、自分がどんなバイクに乗るかは、基本的に、免許さえあれば個人の自由。なので、大型二輪免許を取ったばかりの初心者が、いきなり大排気量バイクに乗ってもいいのは当然です。
ただし、自分のスキルをはじめ、体格や体力にマッチしたバイクに乗ることは、安全にも繫がります。もちろん、1000ccを超える大排気量バイクが持つ高いハードルを乗り越えて、自在に乗りこなせるようテクニックを磨くこともバイクの醍醐味ではあります。
でも、それは、自分が怪我をしたり、周りに迷惑をかけない範囲でのこと。これからバイクを選び、購入を考えている人は、参考にしてもらえれば幸いです。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/480297/
「YZF-R9」や「GSX-8T/TT」の登場でさらに熱い! 600cc~900ccクラスが大型バイクの初心者やベテランに最適な理由とは?【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/480297/480334/









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