8月某日、秋葉原で開催されているとあるイベントに足を運んだ筆者は、そこで1冊のカタログを手に入れた。そのカタログはSズキの最新型であり、おそらくまだどこにも情報の出ていない最新スーパーマシンのものであった。
Sズキらしい最速を目指したスーパーマシン
カタログの表紙にはSズキを代表するスーパーマシンを表す「R」の文字が刻まれており、スピードを追求したマシンであることをイメージさせる。カタログ右上には車名が刻まれており、その名は「DEN-RACE Solo」とある。
ページを開くと、この「DEN-RACE Solo」のスポーティなデザインが現れ、コンセプトや開発理念が刻まれている。コンセプトは「小・少・軽・短・美」とあり、それは今までSズキが作り続けていたスーパースポーツに通じるものだ。コンパクト化や軽量化を追求し、圧倒的な走行性能とパフォーマンスを備えているという。そしてシンプルな機体構造は高い信頼性と、優れた整備性を両立している。
次のページをめくると、「Sズキがたどり着いた最速のマッサージ器」という見出しが目に入る。「マ、マッサージ器?」・・・まあいい。とにかく、そのページに刻まれたメカニズムには眼を奪われる。操作には「DEN-R CONTROL PAD」と呼ばれる専用のコントローラーが使用される。このコントローラー、なんと出力は常にフルスロットルに設定されているといい、これまでにも数々の人を恐怖させるマシンを生み出してきたSズキらしい設定だ。
地面にパワーを伝えるのはSズキのエンジニア達が膨大なテストを経てたどり着いた「農機具洗いブラシ“R”」。これは、推進原理最適理論値である“47度”に漸近する理想的な推進装置でもあるという。
「DEN-RACE Solo」は機体後部のコントロールロッドと路面の摩擦を利用して操舵を行なう。このコントロールロッドの先端にはEPDM材が配置され、適度な摩擦力と衝撃吸収機能でライディングをサポートする。また、機体前方の前脚にはステンレスのバネ材を採用し、旋回時のロール挙動をしなやかに受け流し、転倒を回避しつつ推進への影響を最低限にとどめている。
操舵装置とバッテリーはアルミ製のフレームで保持され、素材と断面形状で軽量化と剛性を両立している。このあたりは、さすがアルミフレームの市販車を初めて世に送り出したSズキである。さらに、フレーム同士の接合には溶接を採用し、車体剛性のアップだけではなく、ボルト類の使用を最低限に抑える効果で信頼性も向上させているという。また、バッテリーを機体後方に設置するレイアウトはブラシのトラクションを最適化し、優れた走行安定性を生み出している。
長くスーパーマシンを製造し続けてきたSズキが、その持てる技術と蓄積したノウハウを投入して完成させた「DEN-RACE Solo」は、「アドバンスドデーモンレッド」、「デビルコンバートブルー」、「ナイトパーティブラック」の3色展開。メーカー魔改造価格は2万5532円で、発売未定だ。






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